【日経平均】ひまわりのように明るい方を向いて176円高

2014年03月05日 20:49

 電機6社の春闘はベア1000~2000円で最後の攻防。その株価は日立<6501>は13円高、東芝<6502>は4円高、三菱電機<6503>は17円高、SNS「リンクトイン」で即戦力の中途採用を行うパナソニック<6752>はなぜか15円安、富士通<6702>は22円高、NEC<6701>は売買高5位で14円高だった。シャープ<6753>は4円高、国内発売で「PS4」の販売台数が全世界600万台を突破したソニー<6758>は37円高だった。オンキヨー<6628>は連日ストップ高の7円高で、その提携先のティアック<6803>も5円安、値下がり率3位とはいえ売買高4位と存在感を示していた。

 半導体製造に真空技術で貢献するアルバック<6728>は139円高で昨年来高値を更新し値上がり率10位。日本電気硝子<5214>はマッコーリー証券がレーティングを引き上げて19円高。ポンプの酉島製作所<6363>は東海東京証券がレーティングを引き上げ66円高で昨年来高値を更新。DIC<4631>は野村證券がレーティングと目標株価を引き上げて17円高。一方、DMG森精機<6141>は海外での公募増資、売出しで310億円の資金を調達すると発表し希薄化・需給悪化懸念で176円安、値下がり率1位。エクイティファイナンスを発表しても株価が上昇したミクシィ<2121>はやはりレアケースか。

 回転寿司「くら寿司」のくらコーポレーション<2695>は11~1月期の純利益が21%増と好調で125円高。昨年来高値を更新し値上がり率5位。ラーメンやケーキやコーヒーなどサイドメニューが好評という。みずほ証券が小売2銘柄のレーティングを引き下げ、島忠<8184>は25円安、ケーズHD<8282>は96円安で値下がり率8位だった。

 建設機械レンタル大手は、西尾レントオール<9699>は210円高で昨年来高値を更新し値上がり率11位、カナモト<9678>は139円高で昨年来高値更新、ワキタ<8125>は43円高。震災復興、国土強靱化、東京五輪と当分、需要に切れ目はなさそうだ。

 前日に続き不動産関連の買い戻しが盛んで業種別騰落率は2日連続トップ。三菱地所<8802>は売買代金6位で125円高、三井不動産<8801>は同7位で111円高、住友不動産<8830>は6期ぶり最高益という業績観測記事が出て同10位で148円高。3銘柄ともモルガンスタンレーがレーティングを引き上げて商いを伴って大幅高だった。値上がり率ランキングでは12位にヒューリック<3003>、13位にサンフロンティア不動産<8934>が入った。ケネディクス<4321>は21円高で売買高6位。東急不動産HD<3289>は農業生産法人と組んで80ヘクタールの土地を3年かけて農地として再生する事業に乗り出すと報じられ10円高だった。

 この日の主役は総合商社。日経新聞の記事で、収益性の低い保有株を売却し食料、電力など戦略分野に重点投資する事業資産の入れ替えを進め、売却額が今期、大手5社合計で前期比2割以上の1.4兆円と報じられていた。株価も反応し三井物産<8031>が26円高で売買代金9位と買われ、丸紅<8002>は12円高、三菱商事<8058>は15円高、伊藤忠商事<8001>は11円高、住友商事<8053>は15円高と揃って上昇した。鉄鋼やエネルギーが花形部門だった時代は長期の利益をもたらす「商権」獲得を目指したが、今は食料、電力だけでなくITや小売やサービスも含めて市況に左右されにくい非資源の事業でリスクを取り「商機」をつかむ重要性が増し、それが資産、事業のポートフォリオ組み替えに現れている。時代がどんなに変わっても、商社は元気があれば何でもできる。(編集担当:寺尾淳)