親から相続を受ける、または子どもへ相続をすると「考えている」と答えた人が、全体の3割程度であることが明らかになった。
20歳以上の男女2,058名を対象に行った相続に関する意識調査(「ハイアス・アンド・カンパニー調べ」)によれば、相続が発生した際、「出来る限り配偶者には残したい」と答えた人は47.9%と全体の約半数となった。「出来る限り自分で使い切りたい」9.9%と合わせると、出来る限り夫婦で資産を使いたいと答えた人が約6割という結果となった。
理由としては、「自分の資産は自分(および、配偶者)で使いたいから」との解答が多く、しかし一方で、「相続争いの原因を作りたくないから」という解答も約3割あった。相続される側のことを考慮した結果、相続させないほうがよいと考える人もいることが明らかになったとコメントしている。
一方、相続人(相続財産を受け取る側)を対象に、「相続で資産の受け取りを期待しているか」と質問したところ、4人に1人が「期待している」・「やや期待している」と答えた。
また、相続に際し、「揉め事は起こらないと思うか」と質問したところ、「起こらないと思う」34.4%、「おそらく起こらないと思う」48.1%となり、8割以上の人が相続に際し特に問題がないと考えていることがわかった。
親世代から相続を受けることを期待している、もしくは子世代へ相続する予定と考えている人は、いずれの立場でも3割程度に留まっていること、また相続を特に問題視していない人が8割いるということから、世代を問わず多くの人が、相続に対し意識が低いように思われる。しかし実際には、家庭裁判所への相続相談件数は年々増加しており、相続に直面した場合、「相続」ではなく、「争族」に転じるケースは少なくないという。
相続することを期待しない、相続させることを期待しない、いずれもフェアなようであるが、準備をしていないことは問題になりかねない。「まだ早い」と思っていても、いつ不測事態が起こるかわからないことは確かだ。心当たりのある人は今から準備をしておいた方がいいかもしれない。(編集担当:堺不二子)