18日のNYダウは88ドル高。ロシアのプーチン大統領はクリミア半島をロシアに編入する条約に調印し、世界を敵に回した。それでも演説で「ウクライナの分割は望まない」と述べると事態はこれ以上は悪化しないと見越してNYダウは上昇。19日朝方の為替レートは、ドル円が101円台前半、ユーロ円が141円台前半で前日よりも円高に振れた。
日経平均は84.46円高の14495.73円で始まる。9時台は14500円台に乗せる時間が長く、9時23分に14514円まで上昇したが9時40分頃から下落が始まり、しばらくプラス圏を維持したが、10時30分に上海市場も香港市場も安く始まると日経平均も10時47分に前日比マイナスに落ち込む。14400円も割り込み11時13分には14345円まで下げ、前引は14354円だった。FOMC結果待ちで商いが薄い上に、東証1部の大型新規IPOに吸い取られて主力銘柄には買いの手が回らないようだった。
後場は少し高く始まってもつかの間で、午後0時48分には14302円と14300円割れ寸前まで下落する。その後は14300円台前半で安値もみあい。ところが1時台に突然の株価棒上げが発生。14400円を突破してプラスに浮上し150円近い上昇をみせる。TOPIXもプラスに浮上。短い踊り場を経た後、ドル円が101円台後半まで急進する為替の円安に合わせて日経平均も14500円をあっさり突破し2時までに14590円まで上昇。さらに2時を回ると14600円台にも乗せる。しかし2時5分の14663円をピークに上昇が一服し14500円台に戻る。急上昇は謎めいたままに大引け前には14400円台まで下落して、先物主導で乱高下した後場の取引終了。日経平均は51.25円高の14462.52円で続伸し、日中値幅は361円もあった。TOPIXは結局-1.61の1164.33で反落。売買高は22億株。売買代金は2兆774億円で3日ぶりに2兆円台に乗せた。
10対23で下落セクターが数でまさり、プラス上位は医薬品、小売、食料品、化学、不動産、倉庫など。マイナス下位は鉱業、非鉄金属、電気・ガス、海運、証券、輸送用機器などだった。
19日のNYダウは114ドル安。FOMCの声明文は量的緩和の証券購入額を100億ドル縮小し、フォワードガイダンスの政策金利見直しのメド「失業率6.5%」を撤廃。事実上のゼロ金利解除には幅広い指標を考慮するという慎重な言い回しで、そこまではよかった。ところがイエレン議長が記者会見で、量的緩和終了後から利上げまでの「相当な期間」とはどの程度かと問われ、はぐらかせばいいのに「6ヵ月程度」と答えたため「FRBは2015年春頃に利上げを意図」と解釈され、時期が市場の見方より早いのでNYダウは約170ドルも急落した。20日朝方の為替レートはドル円は102円台半ば、ユーロ円は141円台後半で、アメリカの早期利上げ観測でドル高円安が進行していた。
日経平均は86.24円高の14548.76円で14500円台に乗せて始まる。しかし円安を好感したプラスの時間は約30分で終わり。利益確定売りが出やすい3連休前で、取引開始後に為替が円高方向に動いたこともあり、先物主導で断続的な売りが入って午前9時50分に14367円まで下落した。その後は14400円をはさんで一進一退。上海、香港市場がマイナスで始まると10時35分には14334円まで下落する。前引は14386円だった。
後場は開始直後に14300円を割り込み、14200円台、前日比200円安前後でもみあって、浮上できないまま時間だけが経過する。2時20分すぎには14300円台に乗せる時間帯もあったが長続きせず、終値は238.29円安の14224.23円と反落して、2勝2敗、前週末比で103.43円下落して今週の取引を終えた。日中値幅は341円もあった。TOPIXは-18.36の1145.97で続落。連休前の最終売買日だったので東証1部の売買高は24億株、売買代金は2兆2366億円とやや多かった。
33業種別騰落率は全てマイナスで、下落幅が小さかった業種はその他金融、卸売、小売、電気機器、鉱業、食料品など。下落幅が大きかった業種はパルプ・紙、不動産、建設、電気・ガス、精密機器、鉄鋼などだった。(編集担当:寺尾淳)