国民投票法案の修正案の議論が国会で続いている。改正案の骨子は、投票年齢を18歳とするか否かである。これにともない、成人年齢を現行の20歳から18歳へ引き下げる解釈も生じうる。
内閣府の調査では、18歳成人を構成する要素の一つとして、親権年齢を20歳から18歳へ引き下げる案については、国民の約7割が難色を示している。端的にいえば、18歳は子どもであり、大人ではないということだろう。毎年1月になると各地で荒れる成人式がクローズアップされる。成人式といえば一人前の人間になる儀式であるが、現状は名目とはほど遠い。
現在、日本において18歳は高等学校を卒業する年齢であり自動車免許の取得が可能である。建前上ではあるがレンタルショップで、アダルト系のDVDをレンタルすることも可能となる。飲酒喫煙は20歳まで許されていない。婚姻は女性は16歳、男性は18歳から可能であるが、未成年扱いとなるため、親権者の同意が必要となる。個人の意思であらゆることができるようになるのは20歳以上であり、日本の成人基準は20歳といえるだろう。
一方世界に目を向けてみてはどうか。イギリスやドイツなど主要なヨーロッパ諸国はすべからく18歳である。さらに、中国やロシアといった世界の主要国も18歳成人説を採用している。アルゼンチンやシンガポールなどは21歳が成人となっている。これは数え歳で大学を卒業する時期に相当するのではないだろうか。アメリカは州によってばらつきがあるが、ほとんどの州は18歳成人となっている。中にはネパールの16歳成人などもあるが、これは高等教育の普及がなされていないため、早く社会に出るためと言われている。世界的な潮流としては18歳成人がスタンダートであると言えるだろう。しかし7割反対の世論があるように、20歳成人もままならない日本においては、成人年齢のさらなる引き下げは混乱を招くだけではないのだろうか。(編集担当:久保田雄城)