PBXやビジネスホン主装置が必要ないクラウド型サービスが登場

2014年04月06日 19:24

 現在、多くの企業においてサーバ設備をクラウドへと移行する動きが加速している。また、PBXやビジネスホンなどの音声設備についても同様に、クラウド化のニーズが高まっている。固定電話とモバイル端末間の内線連携サービスを導入する企業も増えており、FMCのニーズも拡大している。

 このような市場ニーズに応えるサービスとしてNTTコミュニケーションズ(NTT Com)株式会社は31日、従来型のPBXやビジネスホン主装置を使用せずに同社のクラウド基盤上にあるIP電話サーバによりPBX機能と内線機能を実現するクラウド型PBXサービス「Arcstar Smart PBX」を、2014年4月1日より提供開始すると発表した。

 「Arcstar Smart PBX」は、企業の音声設備をクラウド化し、デバイスフリー・アクセスフリーの内線環境を提供する。PBXやビジネスホン主装置をクラウド化することで、設備の購入・更改費用や、保守・メンテナンス費用が不要となるほか、機器設置スペースの確保や管理も不要となる。

 また、PBXやビジネスホン主装置の各種設定をWebサイト上で簡単に変更することが可能となり、番号数や通信チャネル数(同時接続数)を必要なときに必要な分だけ利用するといった、クラウドならではの柔軟な運用が可能だ。

 さらに、「Arcstar Smart PBX」を複数の拠点に導入することで、拠点間の内線通話が可能。スマートフォンに専用のアプリケーションをインストールすることで、スマートフォンを内線化することができるため、外出先のスマートフォンからオフィスの電話に内線で通話ができる。

 固定電話だけでなく、スマートフォンやパソコンでも利用できるデバイスフリーのサービスである。利用人数分の電話機を購入する必要がないため、コストを抑えた導入が可能。

 また、サービスを利用するための回線は、3G、LTE、無線LAN、各種インターネット接続サービスなどに対応し、アクセスフリーとなっている。これにより、BYODの取り組みで社員私有のスマートフォンを内線として活用する際にも、あらためて端末や回線を統一する必要がないため、スムースに導入できる。

 オプションサービスとして、連絡先データをクラウド上で管理できる「Web電話帳オプション」を2014年度上期に提供予定。これにより、管理者が「Web電話帳」の連絡先データをメンテナンスするだけで、複数の利用者や端末間で常に最新の情報を共有することができる。

 また、連絡先情報や通話履歴をクラウド上に保管するため、スマートフォンの端末内にデータが残りません。このため、端末を紛失した際の情報漏洩リスクを最小化することができる。さらに、14年中にNTT ComのVPNサービス「Arcstar Universal One」経由の接続にも対応する予定だ。

 通話料は無料。月額基本料(内線グループ単位)は5000円/内線グループ、月額内線番号利用料(内線番号単位)は500円/内線番号、新設工事費は1万円/内線グループ。(編集担当:慶尾六郎)