高島屋、増税影響から営業収益は0.5%減と予想

2014年04月11日 09:06

 高島屋<8233>は8日、2015年2月期の連結営業利益が、前年比6.5%アップの310億円、連結純利益が前年比9.5%アップの205億円になるとの業績予想を発表した。消費税増税の影響により消費者マインドの低下が心配されるなか、高島屋は100億円規模のコスト削減による増税対策や、また新宿店を取得したことによる賃料支払いの減少などにより、増益を確保したい考えだ。

 そして連結営業収益については、国内の百貨店を中心に消費税増税の影響が予想されることから前年比0.5%ダウンの9000億円とし、3年ぶりの減収を見込んでいる。高島屋は、衣料品の品揃え強化、そして食料品売り場などで新しい企画を行うなどの対策を進めるとしている。

 消費税増税前の駆け込み需要、特に高額商品の駆け込み需要が大きかったことから、増税後の反動減による落ち込みは避けられないだろう。しかし高島屋はこうした落ち込みに、人件費や宣伝費の削減、また固定資産取得によって賃料が34億円減少することなどで対応するとしている。また販売費、一般管理費については前年比1.1%ダウンを計画している。

 今年に入り、高島屋は新宿店や立川店などが入居する不動産を、合計1200億円で相次ぎ取得している。これによって年間34億円の賃金減少が実現する。そして人件費・宣伝費にも圧縮をかけ、百貨店で約73億円、グループ会社で約20億円のコスト削減を行うとしている。そして富裕層や外国人観光客向けの販売促進を強化し、「新しいモデル店舗」と位置付けている新宿店においても売り場改革などを行う方針だ。

 そして同日発表された14年2月期決算によれば、営業収益は前期比3.9%アップの9041億円、営業利益は前年比14.2%アップの290億円、最終利益は前年比13.2%アップの187億円であり、2期連続で増収増益となった。景況感の改善、また消費税増税前の駆け込み需要の影響により、宝飾品や高級時計などの高額商品が好調に推移し、売上をけん引した。その結果、営業収益は5年ぶりに9000億円台を越えることとなった。(編集担当:滝川幸平)