【日経平均】安倍・黒田会談はお昼の幕間劇でも86円高

2014年04月15日 20:32

 トヨタ<7203>はシティGがレーティング「1」を継続したが10円安。この銘柄はどこかおかしい。次期大型機「777X」のための新工場を愛知県に建設する富士重工<7270>は後場下げて2円高。ホンダ<7267>は12円高、マツダ<7261>は3円安、日産<7201>は6円高と自動車は高安まちまちだった。電機も同様で、日立<6501>は11円高だったがソニー<6758>は9円高、東芝<6502>は1円安、シャープ<6753>は3円安、NEC<6701>は5円安。富士通<6702>とパナソニック<6752>は秋に半導体新会社を設立すると報じられ富士通は6円高、パナソニックは値動きなし。富士通が4割、パナソニックが2割、日本政策投資銀行が4割を出資し、システムLSIの設計・開発業務を行うという。

 大林道路<1896>は後場に3月期の業績修正を発表し、売上高を59億円、営業利益を22.8億円、純利益を14億円それぞれ上方修正し、期末配当を4円増配して12円とした。株価は急騰して40円高で値上がり率4位。医薬品大手はエーザイ<4523>42円安、武田薬品<4502>27円安など軟調だったが、鳥居薬品<4551>は3月期決算の単体営業利益が78.2%増という業績見通しを発表し114円高。アデランス<8170>は90円高で年初来高値を更新し値上がり率6位。前日発表の2月期決算は売上高が2期連続の増収、営業利益、純利益は3期連続の増益と好調だった。髪の毛つながりでは京都府が本社の美容室向けヘアケア用品のコタ<4923>が18円高で年初来高値を更新していた。

 ユニ・チャーム<8113>は東南アジアで紙おむつの販売が好調で、3月期の経常利益が660億円で過去最高という業績観測が出て48円高。旧・東京スタイルと旧・サンエーが経営統合したアパレルのTSIHD<3608>は前日に2月期決算を発表し経常利益は45%増の14.3億円、今期は2.7倍の38億円を見込み66円高で値上がり率1位になった。業種別騰落率最下位の海運セクターはバルチック海運指数が3月以来15日連続で下落し、日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の大手3社は下げ止まらず逆行安し、揃って年初来安値を更新した。

 小売業の2月期決算発表は終盤。百貨店の松屋<8237>は前日に2月期決算を発表し、経常利益は44.7%増の15.7億円で純利益は2.3倍の13億円。今期経常利益も1.9%増の16億円を見込み3期連続の増収増益予想。60円高で値上がり率8位に入った。2月期決算の営業利益が14.4%増で、今期も10.1%増で3期連続最高益見通しを発表したヨンドシーHD<8008>はSMBC日興証券が目標株価を引き上げ98円高で値上がり率13位。ドラッグストアのウエルシアHD<3141>はイオン<8267>が連結子会社にすると発表し560円高で値上がり率2位。3月に亡くなった創業者の遺志で、これも事業承継の一つの形。ゴールドマンサックスが目標株価を引き上げたが、良いお手本になれるだろうか。

 この日の主役は新興市場の銘柄。イオンの格安スマホがらみで連騰した後、5日続落した日本通信<9424>は、クレディスイスが「アウトパフォーム」の好レーティングをつけて買いが集まりストップ高の80円高。同業の日本テレホン<9425>もストップ高で300円高だった。総務省はMVNO(仮想移動体通信事業者)が昨年1年間で36%増加したと発表している。クルーズ<2138>はパズルRPG「モンスターエッグアイランド」の配信開始後3日続伸して275円高。セブン&アイHD<3382>傘下のイトーヨーカ堂がカルビー<2229>と組みミドリムシを配合した健康志向の食品を発売すると報じられ、ユーグレナ<2931>はストップ高の150円高。エネルギー関連の省電舎<1711>は、子会社がエナリス<6079>から太陽光発電の工事6.8億円分を受注し一時ストップ高の97円高で5日ぶり反発。エナリスも74円高で6日ぶりに反発した。東証1部の株価の回復は中途半端でも新興市場には元気が戻り、東証マザーズ指数は1.38%上昇していた。(編集担当:寺尾淳)