民主党の大畠章宏幹事長は連合の古賀伸明会長ら幹部との意見交換で、安倍総理が目指す労働関係法の改正などの動きに「非正規労働者の比率の増大、生涯派遣、残業代ゼロ法案など、すべて安倍総理の『世界で一番企業が活躍しやすい国』にするという考え方のもとに打ち出されているもの」とし「こういうことを放置すれば、社会の不安定化を呼び、何よりも人間が人間らしく働くということが阻害されることになる」と強く批判した。
安倍晋三総理は22日の済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議でも「労働市場の改革」を訴え、「生産性を向上させねばならない」として、雇用の在り方について経済原理・生産性向上優先と思われる論理を展開。
労働市場の改革の前提として働き過ぎ防止や健康管理を安倍総理は挙げてはいるものの「労働時間ではなく、成果で評価される働き方にふさわしい新たな労働時間制度の仕組みを検討するよう」要請するなど、実面で労使関係が対等でなければ労働強化になる可能性が非常に高く、労働界は懸念を強めている。
古賀会長は「雇用や労働分野に規制緩和の嵐が非常に強く吹き荒れている。働く分野のさまざまな労働者保護のルールをモノやカネなどの経済規制と同列に置いて緩和すれば、必ず社会は混乱に陥る」と強く反対の姿勢を示した。
また古賀会長は「労働者派遣法について抜本的修正がないまま法案が成立してしまえば、働く者全体の立場や社会全体が非常に危うくなる」と警鐘を鳴らした。(編集担当:森高龍二)