海外の経済指標は、5日はアメリカの4月のISM非製造業景況指数、6日はオーストラリアの3月の貿易収支、フランス、ドイツ、ユーロ圏の4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ユーロ圏の3月の小売売上高、アメリカの3月の貿易収支、7日は中国の4月のHSBCサービス業購買担当者景気指数(PMI)、ドイツの3月の製造業受注、フランスの3月の鉱工業生産指数、貿易収支、アメリカの3月の消費者信用残高、8日は中国の4月の貿易収支、オーストラリアの4月の失業率、ドイツの3月の鉱工業生産、9日は中国の4月の生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、ドイツの3月の貿易収支、経常収支、英国の3月の鉱工業生産、アメリカの3月の卸売在庫、卸売売上高が、それぞれ発表される。
5日はユーロ圏財務相会合、5~6日はローマでG7エネルギー相会議、6日はEU財務省理事会、オーストラリア準備銀行理事会、6~7日はパリで経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会、7~8日はイングランド銀行の金融政策委員会、8日は欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が、それぞれ開催される。ECB理事会終了後にドラギECB総裁が記者会見を行う。週末10~11日にミャンマーの首都ネピドーでASEANサミットが開催される。
アメリカ主要企業の決算発表は、5日はファイザー、AIG、6日はウォルト・ディズニー、7日はテスラ・モーターズ、8日はエヌビディア、プライスライングループ、9日はラルフローレン、ストラタシスが行う予定。
2日発表のアメリカの4月の雇用統計は、前月比の非農業部門雇用者数の伸びが28.8万人で3月より9.6万人も多く市場予測の21~22万人をぶっちぎり、失業率も6.3%で3月から0.4ポイント改善し市場予測の6.6%よりも良く、まさにポジティブサプライズだった。ムードは上々。「悲観論は気分、楽観論は意志」(アラン)というが、マーケットでは外部環境の好転を受けて楽観的な見方が高揚することはよくある。東京市場も7日にゴールデンウィークが明けて、投資家たちそれぞれ私生活での「戦士の休息」が終わったら、気分を出してもう一度、日経平均15000円にチャレンジする週になりそうだ。
昨年を振り返ると、GWの谷間の4月30日~5月2日に日経平均は3連敗していた。ところが3日に発表されたアメリカの雇用統計は市場予測を上回るポジティブな結果で、非農業部門雇用者数は前月比2.7万人増、失業率は0.1ポイントの改善だった。GW明けの5月7日の日経平均は486円高になり、7~10日の週で913円も上昇していた。
当時の東京市場はいまだ挫折を知らない「アベノミクスの青春」末期で、状況が今とはかなり異なっているが、今年の場合は非農業部門雇用者数の伸びが昨年の2.7万人に対して9.6万人、失業率の低下が昨年の0.1ポイントに対して0.4ポイントと、改善の度合いはずっと大きい。この結果に対して今年のGW明けの東京市場が「ろくに反応せず上昇しない」と予想するのは、あまりにも悲観的すぎるだろう。少なくとも今週、たとえ一度きりだとしても15000円にタッチする機会はあるとみていいのではないだろうか。終値ベースでいえば、あと543円で到達する。