近い将来、「南海トラフ大地震」が発生するという予測がある。このため、太平洋沿岸の自治体では巨大津波への対策を急いでいる。各自治体では地域別の最大津波浸水深を示した「津波ハザードマップ」を公開しているが、自治体のHPにPDFなどで添付されていることが多い。ユーザーからは現在地がわかりにくい、スマートフォンなどではみにくい、また、外出時にみることができず、いざという時に使えないのではないか、など多くの声が上がっている。
株式会社博報堂は1日、ソーシャルデザインプロジェクトissue+designおよび、神戸市危機管理室・デザイン都市推進室との恊働により、津波避難・防災に関する情報ウェブサービス「ココクル?」をスマートフォン、タブレット向けに開発したと発表した。
今回開発した「神戸市津波防災ウエブサービス ココクル?」は、兵庫県が既に発表している「神戸市津波ハザードマップ」のWeb(主にスマートフォン向け)版であり、スマートフォンのGPS機能を利用している。これにより「南海トラフ大地震」発生時に、自分が現在いる場所に津波が、最大でどの程度の高さで、最短何分で到達するかを知ることができるというスマートフォン、タブレット向けのウェブサービスだ。
Webにアクセスすると、現在地の情報に基づき0mから5mまでの8段階のピクトグラムで最大の津波の高さが視覚的にわかる。さらにWeb内の「津波ハザードマップ」にアクセスすると、現在地および周辺の浸水深がわかり、避難すべき方向の示唆が得られるという。また、「津波ハザードマップ」だけでなく、津波警報が発令された場合の避難行動など、津波対策の必要なさまざまな情報を掲載している。
今後、博報堂では、神戸から始まったこのサービスを、全国各地の津波およびその他災害の危険性がある地域にも拡充する。「津波ハザードマップ」などを既に用意している自治体に対し、同様のWebサービスの開発・普及を推進していく予定である。『ココクル?』専用サイトはhttp://kokokuru.jp。(編集担当:慶尾六郎)