後場は一段高の14200円台で再開し前日の424円安の半値戻しをクリアし14250円にもタッチするが、マイナーSQの前日で、大引け後にトヨタ<7203>の決算も控えているためか、上値を追うどころか逆にジリジリ下げて1時台には14200円をたびたび割り込む。ソフトバンクはプラスに浮上しそうで届かずブレーキをかけたまま。2時台も再びジリ安になり、前日の半値戻しは遠くなるばかり。それでも終盤少し上昇し終値は130.33円高の14163.78円と反発したが、前引値にも届かずこの程度では自律反発の範囲内。日中値幅は146円だった。TOPIXは+8.00の1160.01で日経平均よりも上昇率が小さかった。売買高は17億株、売買代金は1兆8294億円で1兆円台に逆戻りした。
上昇セクター上位は卸売、海運、電気・ガス、繊維、医薬品、保険など。下位はサービス、不動産、情報・通信など。下落セクターは金属製品、建設、輸送用機器だった。
8日のNYダウは32ドル高。しかしNASDAQは16ポイント安。ECB理事会はOECDがゼロ金利を求めた政策金利を0.25%に据え置くと決定。しかしドラギ総裁が記者会見で「理事会は次回に行動しても良いという認識」と、6月のECB理事会で金融緩和があるかのような発言をしてユーロは急落する一方、フランスのCAC指数は年初来高値を更新した。アメリカの新規失業保険申請件数は市場予測よりも良く、イエレンFRB議長の議会証言は2日目も波乱なく終了。NYダウは一時100ドルを超える上昇で史上最高値もすぐ上に見えたが、ハイテク系などモメンタム銘柄が安く、午後にマイナス圏まで下げたがなんとかプラスで終えた。アメリカの長期金利が上がらず9日朝方の為替レートはドル円101円台半ば、ユーロ円140円台半ばで、前日夕方と比べて円高が進んでいた。
マイナーSQの日で、500社以上が3月期決算を発表する後半ピークの日の日経平均は61.80円安の14101.98円で始まる。午前9時6分に14100円を割り14091円まで下げても一時的で、9時10分すぎにSQ推計値14104.82円が出ると日経平均はそれを上回る上昇をみせ、TOPIXともども9時15分にプラスにタッチする。しばらく前日終値近辺で停滞するが、9時40分頃から上昇が始まり14200円を突破し14200円台前半でもみあった。10時30分に中国の4月の消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)が発表され、CPIは前年同月比+1.8%、前月比-0.3%で、PPIは前年同月比-2.0%。上海、香港市場は下落で反応したが日経平均は少し下げただけですぐに上昇に転じる。為替も円安に振れ、11時5分には14266円まで上昇して前引は14247円だった。
後場は水準を下げて始まるが、利益確定売りの金曜日でもあり高値を取りに行けない。1時台になると14200円をはさんだ小動きが続くがマイナスには落ちない。2時に3月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数は1.1ポイント上昇し114.0、先行指数は2.2ポイント低下し106.5。発表直後に少し売られたがすぐ元に戻り終盤も14200円前後で推移したまま大引け。35.81円高の14199.59円で2勝1敗、前週末2日の終値から257.92円のマイナスで今週の取引を終えた。今年に入ってSQ値は4ヵ月連続で前月比で下げたが、今月ようやく下げ止まり前月比プラスに。それを吉兆に5月の日経平均月間騰落が4年連続マイナスの「セル・イン・メイ」のジンクス打破に向かいたいが、続伸しても35円高では前々日の大陰線の半値戻しも達成できていない。日中値幅は175円だった。TOPIXは+5.50の1165.51。売買高は19億株、売買代金は1兆8820億円で、値がさ株の売買が活発なSQの日にしては商いが少なかった。
上昇セクター上位はその他金融、その他製品、陸運、非鉄金属、機械、ゴム製品など。下落セクター下位は石油・石炭、証券、繊維、金属製品、鉱業、サービスなどだった。(編集担当:寺尾淳)