【日経平均】後場崩れて14000円を瞬間割り込み90円安

2014年05月19日 20:38

 メガバンク3行は全て下落したが、野村HD<8604>は、上海市に合弁会社を設立して中国での証券業務に参入と報じられ4円高。自動車大手8社が共同で新エンジンを研究・開発すると報じられたが、個別銘柄はトヨタ<7203>63円安、富士重工<7270>76円安で年初来安値更新、マツダ<7261>14円安など軒並み下落。その中でホンダ<7267>が20円高と孤軍奮闘した。電機大手もソニー<6758>は19円安、シャープ<6753>は8円安。パナソニック<6752>は17円安、日立<6501>は24円安になり、ともに年初来安値を更新した。

 キヤノン<7751>は売買代金10位に入り7円高で年初来高値を更新。電子部品商社のエクセル<7591>は、15日に発表した増益決算と増配が好感され16日に続きストップ高比例配分の300円高で年初来高値を更新し値上がり率1位。東邦チタニウム<5727>はクレディスイスがレーティングを引き上げ36円高で値上がり率7位に入った。

 羽田と成田に新滑走路を1本ずつ増設し、2030年代にそれぞれ発着枠5割増という構想が報じられ、JAL<9201>は10円高、ANAHD<9202>は値動きなしで空運セクターは騰落率4位。空港施設関連の日本空港ビルデング<9706>は34円安、空港施設<8864>は2円安だったが、空港アクセスのJR東日本<9020>は53円高、京急<9006>は6円高、京成<9009>は5円高。陸運セクターは騰落率2位とこの日好調だった。

 山下医科器械<3022>は16日に5月期決算の営業利益見通しを一転増益の8.8億円に上方修正して増配も発表。年初来高値を更新して値上がり率4位。あすか製薬<4514>は16日に武田薬品<4502>との間でジェネリックの高血圧症治療薬「カンデサルタン錠『あすか』」の事業化契約を締結したと発表して一時ストップ高の138円高で値上がり率2位。武田は27円安。武田の高血圧症治療薬「ブロプレス錠」の後発薬第1号で6月にも薬価収載の見込み。

 日本水産<1332>は大和証券が今期の復配に期待して目標株価を引き上げ9円高で年初来高値を更新し値上がり率14位。ウェザーニューズ<4825>は自前の気象観測衛星に不具合が発生して北極海の観測ができなくなり、再打ち上げは来年までできず25円安。第1四半期決算の大幅減益で16日はストップ安だったリブセンス<6054>は138円安と続落し値下がり率1位。山一電機<6941>は今期業績見通しが経常利益30.4%減、純利益22.7%減では65円安はやむを得ず同2位に甘んじた。前週の主役だったKADOKAWA<9477>、ドワンゴ<3715>、ローランドDG<6789>、アマダ<6113>は全て売られて下落した。ローランド<7944>は値動きなしだった。

 新興市場が不調で東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均は年初来安値を更新。期待の星のサイバーダイン<7779>も1000円安のストップ安だった。ネット・コンテンツ関連は全般的にふるわず、enish<3667>が157円安で年初来安値を更新し値下がり率7位、エイチーム<3662>が330円安で同18位など東証1部銘柄にも軟調が波及した。前週良かったミクシィ<2121>は120円高で年初来高値を更新したが、Klab<3656>は57円安で値下がり率9位。ヤフー<4689>も12円安で年初来安値を更新。大和証券がクラウドとMVNO(仮想移動体通信事業者)を評価してレーティングを引き上げたIIJ<3774>は56円高と逆行高していた。

 GW明けからM&A、業界再編の話題の種が尽きない。この日の主役は食品スーパーの再編報道で、イオン<8267>の資本提携先で首都圏に店舗網を持つマルエツ<8178>、カスミ<8196>、マックスバリュ関東(非上場)が2015年春に共同持株会社を設立して経営統合するという内容。マルエツ、カスミは上場廃止になり、イオンと丸紅<8002>の共同出資で設立する会社が共同持株会社の株式の過半数を持つ。イオンは13円高、マルエツは32円高で年初来高値を更新し値上がり率3位。カスミは30円高で同10位、丸紅は8円安だった。イオンは首都圏の店舗が少ないという弱点を指摘されていたため、売上高単純合計6000億円強のスケールメリットを武器に、セブン&アイHD<3382>の牙城とも言える首都圏で地盤を固める。

 このニュースは小売セクターを刺激し、イオン系食品スーパーのいなげや<8182>は13円高、ベルク<9974>は25円高、H2Oリテイリング<8242>が買収した食品スーパーのイズミヤ<8266>は10円高、東武ストア<8274>は8円高で年初来高値を更新し値上がり率15位。家電量販店のエディオン<2730>は3円高で年初来高値更新、ヤマダ電機<9831>はUBSがレーティングを引き上げて3円高、ドラッグストアのマツモトキヨシHD<3088>は95円高で値上がり率19位、サンドラッグ<9989>は130円高で同17位、ファッション小売のしまむら<8227>は390円高で年初来高値を更新し同13位、ホームセンターのジョイフル本田<3191>は335円高で年初来高値を更新し同5位。ディフェンシブセクターの代表格の小売業は業種別騰落率3位に入っていた。(編集担当:寺尾淳)