ヤマハ発動機、上級モデル同等の高性能ハンダ印刷機を発売

2014年06月04日 07:16

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ヤマハ発動機が新発売した、クリームハンダ印刷機「YCP10」。電子部品メーカーが成長戦略に転ずる中、コンパクトでコストパフォーマンスに優れた印刷機の需要は高い。

 財務省は、生産等設備の更新を促進して生産性の向上を図るとともに、国内における設備投資需要を喚起するため、生産等設備投資促進税制を創設し、今年1月20日に施行している。その甲斐もあってか、同省が6月2日に発表した2014年1~3月期の法人企業統計を見てみると、金融機関を除く全産業の設備投資額は前年同期比7.4%増の12兆2307億円と大幅に増加している。製造業の中でもとくに、スマートフォンや車載部品、産業機器、エネルギー関連分野などが好調の電子部品各社は、13年度の設備投資を抑えていたこともあり、14年度の成長戦略として、前年比2ケタパーセント増の大規模な設備投資を行うことを発表している企業も少なくない。

 このような背景の中、ヤマハ発動機が6月1日より、高精度・高品質・コンパクトなクリームハンダ印刷機「YCP10」を新発売した。クリームハンダ印刷機とは、クリーム状のはんだペーストをプリント基板などに印刷する装置で、電子部品をプリント基板に実装する工程で使われる産業用機械のひとつである。同製品は、同社の現行モデル「YCPII」の後継機種として開発されたもので、上級モデル同等の印刷品質を実現し、大型基板・幅広いマスク枠にも対応した、高性能なコンパクト印刷機だ。同社で独自開発された3Sヘッドやマスク吸着機能を標準装備しているほか、タッチパネルやグラフィック目合わせ機能などを搭載しており、扱いやすさの面でも、現行品よりも格段にアップしている。さらにはサーボ搬送による制動時間の削減と動作シーケンスの最適化などにより、現行モデル比約12%の高速化を達成した。

 また、ヤマハ発動機ではこのクリームハンダ印刷機「YCP10」単体だけでなく、同社が展開しているディスペンサーや表面実装機、検査装置などの製造ライン設備と相互連携することによって、ライントータルでの生産の効率化と品質向上が実現するとしている。

 電子製品の小型化に伴って、内蔵される電子部品も更なる小型・高密度・高機能化が求められている。電子部品実装工程の現場において、ハンダ印刷にも、ハンダの特性やマスク精度、基板の伸縮をも考慮した、高精度で安定した印刷機が求められており、「YCP10」のようなコンパクトでコストパフォーマンスに優れた印刷機の需要は、日本国内だけでなく世界的な規模で、益々高まるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)