メガバンクは、東海東京とメリルリンチがレーティングを引き上げた三菱UFJ<8306>は7円高だったが、みずほ<8411>は値動きなしで三井住友FG<8316>は16円安。野村HD<8604>は7円安。トヨタ<7203>68円安、マツダ<7261>6円安、ホンダ<7267>1円安と自動車大手が軒並み安い中、日産<7201>は2円高、スズキ<7269>は27円高。電機ではパナソニック<6752>が1円高、NEC<6701>が3円高で逆行高したが、東芝<6502>は3円安で5月23日に年初来安値から反発して以来の連騰が12でストップ。日立<6501>は4円安、シャープ<6753>は7円安だった。
オリジン電気<6513>は売電収入1.5倍の家庭用ソーラーパネルのパワーコントローラーに参入するというニュースがあり13円高。NTTドコモ<9437>は7円高だったがKDDI<9433>は96円安。半導体シリコンウエハー容器のミライアル<4238>は2~4月期決算の純利益86.6%増を好感され36円高で年初来高値を更新した。
バルブ首位のキッツ<6498>は大和証券がレーティングを2階級特進させ43円高で年初来高値を更新し値上がり率6位。荏原<6361>はUBSが目標株価を引き下げ10円安だった。イハラケミカル工業<4989>は11~4月期決算を発表し過去最高の純利益16億円。21円高で年初来高値更新。日本化薬<4272>はクレディスイスがレーティングを引き上げ17円高。日本製紙<3863>は6月中に3年ぶりに普通社債(SB)を100億円起債すると報じられ21円安。パルプ・紙セクターは業種別騰落率最下位に沈んだ。
マンション欠陥工事問題の渦中の熊谷組<1861>は売買高3位の売り浴びせで17円安で値下がり率4位。日鉄住金テックスエンジ<1819>は43円高で年初来高値を更新し値上がり率4位。JT<2914>は売買代金17位に入り25円高で年初来高値更新。西日本の「ほっかほっか亭」を運営するハークスレイ<7561>は高齢者向け宅配事業を手がけると報じられ6円高。日本マクドナルドHD<2702>は5月の既存店売上高が2.4%減で3ヵ月連続のマイナスと深刻だが6円高で年初来高値更新。株主優待のお食事券目当ての買いが入ったおかげもある。
有料老人ホームのメッセージ<2400>はSMBC日興証券が目標株価を引き上げ10円高。値上がり率1位は売買高16位のジャパンベストレスキューシステム<2453>で69円高。東京ドーム<9681>は2~4月期の営業利益33%減という業績観測記事が出て3円安。人材派遣のアウトソーシング<2427>は今期配当30円上積みが好感され37円高。中途採用求人情報のリブセンス<6054>は99円安で値下がり率1位の一方で学情<2301>は65円高で値上がり率5位。大学新卒者の就職は完全な売り手市場ではないというが、企業が腰を据えて採用にカネをかけてくれるので事業拡大にはチャンスになる。
任天堂<7974>はヨーロッパで従業員の約1割、130人規模の人員削減を行うと報じられ前場は高かったが100円安。セキュリティソフトのデジタルアーツ<2326>は135円高で年初来高値を更新し値上がり率3位。前週、遠隔操作で送ったファイルを消せる技術がテレビで紹介されて買いに火がついた。
コロプラ<3668>は132円安で値下がり率15位。エムアップ<3661>は139円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。エイチーム<3662>は前場、420円高の天国から580円安の地獄へ逆落としで終値430円安で値下がり率9位。売買代金5位でデイトレなど短期売買が多いのでそんなことが起きる。それは470円高のミクシィ<2121>も同様で日中値幅は1240円もあった。日経ジャスダック平均は-0.26%で5月22日以来の連騰は13でストップし、東証マザーズ指数もJPX日経400もマイナスだった。
この日の主役は、株価が日経平均とともに生き、日経平均とともに死すファーストリテイリング。売買代金9位で545円安。「ユニクロ」が円安、原材料高を背景に8月から秋冬物を平均5%値上げするニュースが大きく報じられた。初の値上げで、しまむら<8227>なら株価が反応するところだが、「ただ、機関投資家の先物トレードのためにある銘柄」ゆえ、まるで能面のように無反応。しかしメジャーSQ週の日経平均のアップダウンには徹頭徹尾お付き合いした。最低購入代金は約343万円で個人投資家の多くには無縁の存在。「証券コード9983のファーストリテイリングという銘柄につく株価」はもはや同社のビジネス動向からも遊離し、マーケット情報あふれる中で日々「記号」として消費される。同じ「御三家」でもソフトバンクのほうがまだM&Aなどの材料に反応する。(編集担当:寺尾淳)