武田薬品<4502>は、高血圧症治療剤「ブロプレス」の臨床研究不正問題をめぐって組織的かつ継続的な関与があったという第三者機関の調査結果を公表し、売買代金7位ながら118円安。山崎製パン<2212>はSMBC日興証券が目標株価を引き上げて12円高。2月に豪雪に閉じ込められたクルマに無料でパンを配った「陰徳陽報」なのか4~6月期は9期ぶりの営業増益になる見通し。ヤマハ<7951>は58円安で値下がり率7位だった。
三井物産<8031>は10円高で9日続伸し年初来高値更新。NY原油先物が続伸し資源価格高騰がその背景。高島屋<8233>は3~5月期の営業利益が前年同期比25%増という業績観測報道が出て6円高。西松屋チェーン<7545>は43万株、3億円上限の自社株買いを発表し42円高で値上がり率14位だった。「薬九層倍」と言うが、サッポロドラッグストアー<2786>は3~5月期が20%の経常減益で4円安。「坊主丸儲け」と言うが、葬儀の明朗会計で成長中のティア<2485>がこの日から東証1部に指定替えになり、78円高で年初来高値を更新して値上がり率7位と買われていた。
法人減税による税収減の穴埋めにパチンコ、パチスロに課税する案が浮上し、セガサミーHD<6460>は82円安で値下がり率4位、平和<6412>は60円安など関連銘柄軒並み安。しかし課税にはグレーゾーンの玉の換金を合法化しなければならないジレンマがある。群馬県の富岡製糸場がユネスコ世界文化遺産に正式決定したが、元オーナーの片倉工業<3001>は21円安、関連銘柄視された西武HD<9024>も28円安と反応薄。
この日は19、20日に上昇した主力大型株に売り物が出て、それを中・小型株への買いがカバーする展開。20日に指数が下落してひと休みした新興市場も、日経ジャスダック平均が0.39%上昇、東証マザーズ指数が1.50%上昇と再び活況を呈した。サイバーダイン<7779>は820円高、MVNO関連の日本通信<9424>は66円高で年初来高値更新、ユーグレナ<2931>も64円高で年初来高値更新。直近IPO銘柄のムゲンエステート<3299>は60円高で上場来高値更新。しかしミクシィ<2121>は830円安だった。
バイオ関連に再生医療からみのニュース2つ、J-TEC<7774>は中国とタイでの再生医療実用化プロジェクトが経済産業省の「医療機器・サービス国際化推進事業」に採択され16円高。3Dマトリックス<7777>は自己組織化ペプチド技術を心筋の組織再生に適用する特許が日本で成立したと発表し、4日ぶりに反発して105円高だった。
東証1部のゲーム・コンテンツ関連も買いが集まり、Klab<3656>は71円高で値上がり率5位、この日から信用規制が解除されたエイチーム<3662>は330円高で同13位、コロプラ<3668>は52円高。しかしDeNA<2432>は47円安で値下がり率8位になった。豆蔵HD<3756>はストップ高の100円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。前週に日本マイクロソフトとコンテンツ配信事業者向けクラウドソリューションを共同開発すると発表し、引き続き買われている。KADOKAWA<9477>とドワンゴ<3715>の10月の経営統合も控えて、動画配信サービスの市場は有望視されている。
この日の主役はアーク<7873>。オリックス<8591>が買収すると報じられストップ高の80円高で売買高8位、値上がり率1位。オリックスは16円安。大阪の試作品製造・開発メーカーで、地域経済活性化支援機構による事業再生スキームはすでに終了した。オリックスが支援機構から約150億円でアーク株を取得する。グローバルな拠点網があり海外顧客も少なくないのが強みである。(編集担当:寺尾淳)