東レ<3402>はUBSが目標株価を引き上げ19円高。帝人<3401>はUBSが目標株価を引き下げ2円安。岡山県倉敷市の水島コンビナートに先端技術育成拠点を設けるなど石油化学事業に700億円を投資する旭化成<3407>は9円高。三菱ケミカルHD<4188>はUBSがレーティングを引き下げ2円安。キリンHD<2503>はみずほ証券がレーティングを引き下げ4円安だった。
国税庁が発表した「路線価」の全国34万地点平均は-0.7%で6年連続で下落したが、下げ幅は昨年から1.1ポイント縮小。三大都市圏は揃ってプラスで東京都は+1.8%、大阪府は+0.3%で6年ぶり上昇。不動産セクターは三井不動産<8801>は3円高、三菱地所<8802>は40円高、住友不動産<8830>は37円高だったが、業界が期待するのは地価上昇よりもむしろ金融緩和だろう。タマホーム<1419>は5月期の通期業績見通しを下方修正して2円安。大雪で工事が遅れた上に技能工の人手不足が深刻だという。
エア・アジアのLCC新会社にはすでに楽天<4755>が出資を発表したが、ノエビアHD<4928>とアルペン<3028>も加わった。ノエビアHDは88円高で年初来高値更新、アルペンは5円高、楽天は37円高。サカイ引越センター<9039>は車両や倉庫用地を購入するために公募増資などで21億円を調達すると報じられ希薄化懸念で105円安で値下がり率8位。引越業は春の需要期に合わせて車両や倉庫に投資しなければならない。ウェザーニューズ<4825>は5月期決算を発表し、営業利益21%増、純利益9%増で7年連続過去最高益。109円高で年初来高値を更新した。
カンボジアの首都プノンペンに巨大モールをオープンさせたイオン<8267>は6円高。ニトリHD<9843>は野村證券が目標株価を引き下げ40円安。カジュアル衣料ショップのアダストリアHD<2685>は3~5月期の純利益が86%減だったが189円高で値上がり率4位と買われた。スター精密と正反対で悪材料出尽くし。ニチイ学館<9792>は中国政府の外郭団体、中民養老企画院(北京市)と介護サービスで戦略的な提携を結んだと発表し25円高。「一人っ子政策」のために今後急速に高齢化が進むと予測される。
イオンが4日から月1980円の格安スマホを発売するニュースがあり、この日も格安スマホ関連、MVNO関連が買われた。ワイヤレスゲートウェイ<9419>はLTE対応のSIMカードの販売開始、世界最大のWi-FiキャリアFONとの提携検討を発表しストップ高で700円高と続伸。フリービット<3843>は59円高、IIJ<3774>は54円高。中古スマホ販売の日本テレホン<9425>は一時ストップ高の299円高で年初来高値を更新した。ゲーム・コンテンツ関連は日替わりヒーローで、スクエニHD<9684>は117円高で値上がり率6位。「ドラクエ・モンスターズ・スーパーライト」が600万ダウンロード突破、ゲームで中国企業と提携交渉中、アジアの売上高を数年で最大4割増にする構想など好材料が揃った。東証1部は主力株も中・小型株も買いを集める全面高で、新興市場も日経ジャスダック平均は0.86%、東証マザーズ指数は2.41%それぞれ上昇していた。
この日の主役は「設備投資」関連。日銀短観の今年度の大企業全産業の設備投資計画は+7.4%で、3月調査の+0.1%から大幅に上方修正され7年ぶりの高水準。大企業製造業に限ると12.7%増のポジティブサプライズだった。それを受けて工作機械、FA、ロボット、エンジニアリングなど設備投資関連がひろく買われ、業種別騰落率で機械セクターは3位、電気機器セクターは4位に入った。
豊田自動織機<6201>は100円高で年初来高値更新、オークマ<6103>は15円高、東芝機械<6104>は3円高、牧野フライス製作所<6135>は6円高、ジェイテクト<6473>は32円高、ツガミ<6101>は6円安、アマダ<6113>は27円高、DMG森精機<6141>は1円高、横河電機<6841>は16円高、不二越<6474>は21円高、安川電機<6506>は6円高、ファナックは400円高、三菱電機<6503>は51円高、THK<6481>は62円高、キーエンス<6861>は1430円高、日揮<1963>は33円高、東洋エンジニアリング<6330>は1円高、千代田化工建設<6366>は8円高と、すぐ思いつく大手で下落はツガミだけだった。(編集担当:寺尾淳)