ベビーシッターのマッチングサイト、登録内容は「自己申告」

2014年07月09日 12:37

今年3月、ベビーシッターを名乗る男性の自宅から男児が遺体で発見されるという痛ましい事件が起きた。母親はインターネットのマッチングサイトを利用しており、こうしたサービスの仕組みや安全性について関心が集まっている。

 厚生労働省では今回の事件を受け、全国の自治体や、子供の預かりサービスを実施する事業者、マッチングサイトの管理者を対象に、3月末から4月中旬にかけて調査を実施。マッチングサイトへの調査では、依頼した8サイトのうち5サイトから回答があった。管理者の所在地は、5つのうち3サイトが都内である。

 サイトに登録している利用者・保育者の人数を尋ねたところ、利用者が最も多いサイトは約1万6000人が利用しており、約6000人の保育者が登録されている。最も少ないサイトでは、利用者、登録保育者ともに約500人だった。ただし、マッチングサイトの正確な利用人数は把握しづらい。1人の利用者が複数サイトに登録している可能性もあるからだ。ベビーシッターなど保育者についても、1人で複数のニックネームを使って「複数人」として登録していることも考えられる。3月に起きた事件の容疑者も、偽名を使って複数登録していた。

 保育者がサイトに登録する際は、全てのサイトで「氏名、年齢、性別等」、「住所」、「保育の実施場所の住所」、「対応可能時間」、「提供するサービス内容及び料金」、「保有している資格」を確認している。ただ、これらの確認方法は保育者の「自己申告」としているサイトが多く、虚偽の内容があっても判明しづらい。利用者と保育者との間でトラブル等が生じた場合も、5サイトのすべてが「利用者と保育者との間で対応」だった。サイトはマッチングの場を提供するのみで、その後のやりとりやトラブルの対応は基本的に自己責任とされている。厚労省では専門委員会を設置し、こうしたマッチングサイトへの対応の在り方などを検討、今秋を目処に取りまとめる予定だ。(編集担当:北条かや)