近年、「ビックデータ」というキーワードがIT関連企業の間で「新たなビジネスチャンスを生み出すもの」として注目されている。この「ビックデータ」についての定義はまだしっかりと定まってはおらず、「これまで企業が扱ってきたデータよりも膨大で、多様なデータ」と曖昧な形で捉えられており、それだけこのシステムがまだ「新しい」ものであることの証拠でもあるだろう。
この「ビックデータ」については、今、各IT関連企業で活用方法が模索されている。そんななか、ソフトバンク<9984>傘下のソフトバンクテレコムがインターネット広告大手のオプトとの共同出資により、ビックデータを活用した企業のデジタルマーケティング活動を支援する新しい会社「ジェネレイト」を6月20日に設立したとの発表を行った。新会社の資本金は7億円で、持ち株比率はソフトバンクテレコムが60%、オプトが40%となっている。ソフトバンクテレコムが持つ営業網とオプトの持つ技術力の相乗効果により、2015年度には数十億円の売上高を目指すとしている。
これまでソフトバンクテレコムは、企業向けICTソリューションの提供を行うほか、O2Oサービスなどの提供も行ってきていた。またオプトは顧客が保有する自社データの収集や分析を行うためのソリューションの開発や、デジタルマーケティングにおけるデータマネジメントなど、様々なサービスを提供してきている。
こうした両社の特性を活かし新たに設立された会社では、対象となる消費者のインターネット閲覧履歴をもとに、興味のある商品やサービスの割り出しを行い、その結果にもとづき消費者のスマートフォン(多機能携帯電話)へ最寄りの店舗で使用することのできる割引きクーポンの配信を行うなど、効果的な販売促進やマーケティング施策などを提供していくとしている。
新会社「ジェネレイト」には、ヤフー<4689>や実際の店舗から収集されたビックデータを用いて、総合的な販売促進施策やマーケティング施策などが提供できるという強みがあるという。今後は外部パートナーとの連携も視野に入れ、さらなる事業拡大を狙いたい考えだ。(編集担当:滝川幸平)