愛煙家に追い討ちか 7割が「受動喫煙禁止条例」に賛成

2014年07月27日 12:19

 世界的な嫌煙ブームに相次ぐ増税と、愛煙家に逆風が続く中、追い討ちをかけるアンケート結果がまとまった。公共の施設など禁煙エリアの拡大にとどまらず、7割以上の人がより一歩踏み込んで「受動喫煙禁止条例」の制定に「賛成」と考えていることがわかった。ライフメディア・リサーチバンクの調査で明らかになった。

 調査は20歳以上の男女2000人を対象に実施した。

 喫煙経験の有無をたずねたところ、半数以上の55%が「吸ったことはない」と回答。年代が下がるにつれて非喫煙者の割合は増加し、20代では喫煙経験ありが男性で17%、女性では7%と極めて少数となっており、若者の“タバコ離れ”の傾向に拍車がかかっているのがわかる。

 喫煙者のマナーで気になることは、「吸い殻や灰のポイ捨て」がもっとも多く71.4%、次いで「歩行喫煙」67.4%、「煙を人のいる方向に吐く」51.8%となっていた。

 「受動喫煙」という言葉は7割以上が認知しており、「普段、受動喫煙による健康への影響を受けているか」という質問には、「受けている」「やや受けている」をあわせて半数以上が「受けている」と回答していた。

 近年、公共の施設や飲食店、乗り物など禁煙エリアが拡大しているが、これによって受動喫煙の被害が減っているかどうかについては「減っている」との回答が約半数で、2割の人は「減っていない」と感じていた。

 一部の自治体では「受動喫煙禁止条例」を制定し、違反者には罰金を科するなどの取り決めを作っている自治体もある。この受動喫煙禁止条例については、7割が「賛成」と答えており、「反対」はわずか7.6%(男性10.2%、女性4.9%)にとどまるなど、禁止エリアの拡大からより一歩踏み込んで、条例レベルでの受動喫煙防止を支持する声が多いことがわかった。

 自由回答では「自分が喫煙者で、非喫煙者の家族にも受動喫煙が原因で肺に影ができた」「歩行喫煙でやけどさせられたことがある」など、他人の喫煙による実害についての記述が目立ったほか、「健康云々よりも匂いだけで耐えられない」という根っからの“嫌煙派”も少なくないようだ。

 一方で喫煙者からは「禁煙エリアを作るなら、喫煙所を明確にすべき。今の状況は喫煙者にアンフェア」「嗜好品を除外しすぎるのは好ましくない。風当たりが強すぎる」といった声も聞かれるようだ。

 国民の健康に関する様々な数値目標を設定する、政府の健康日本21では、喫煙率について約10年後には12%代にまで押し下げることを目標としている。しかしながら今や「吸わないのがかっこいい」という文化が定着したようで、今回の調査結果からみても若者のタバコ離れは明らかだ。嗜好品である以上、一定の割合で愛好者は存在するとしても、タバコ文化がわが国で存在感を消していくのも、ひょっとしたら近い将来にありうることもしれない。(編集担当:横井楓)