6日のNYダウは地政学的リスクが小康状態の中で買い戻され13ドル高の小幅反発。NASDAQは2.21ポイント上昇。7日朝方の為替レートはドル円が一時101円台になって102円台前半、ユーロ円が136円台後半で、円高が大きく進行した。
日経平均は21.07円安の15138.72円で始まる。TOPIXはプラスで始まったがすぐマイナスに変わる。午前9時10分に15085円まで落ちるが急反発。7月SQ値は強し。露払いに9時47分と10時4分にプラスにタッチし15164円まで反発するが長続きせず、10時台は再び15120円付近まで下げるなどアップダウンが激しい。
日経平均は15121円と15140円の間でバウンドが続いた後、10時30分に事態が急変する。オーストラリアの7月の雇用統計の失業率が6月の6.0%から6.4%に悪化して市場予測も下回った。豪ドルは急落し、上海も香港も含めてアジア市場は全面安。日経平均は10時58分に15080円まで下落するが、そこでも7月SQ値に阻まれて15100円台まで反発した。11時に東京都心部オフィス空室率が発表され0.25ポイント低下すると15121円を超え、前引けは15128円だった。
後場は下げて再開するが15100円台は維持し、おおむね15100~15120円で値動きする。しかし1時20分すぎに急落して1時25分に15061円まで下落してしまう。しかし「大台危うし」でも、すぐに反発し15110円近くまで戻した。そして2時、突然のように先物主導で上昇が始まって15150円を超えてプラスに浮上。さらに15200円を突破して2時29分に15243円まで上昇して15250円に迫る。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が「ポートフォリオの株式配分を12%から20%超に改める方向で政府と調整している」というロイターの速報が入り、アベノミクス相場初の6日続落を覚悟していた東京市場のムードは一変した。
利食い売りされ一時15200円を割り込むが結局15200円台に踏みとどまり、終値は72.58円高の15232.37円で6日ぶりに反発。日中値幅は182円。TOPIXは+6.83の1258.12で高値引け。売買高は22億株、売買代金は2兆508億円で売買がにぎわった。
上昇セクター上位は非鉄金属、鉱業、情報・通信、水産・農林、その他金融、サービスなど。下位は鉄鋼、石油・石炭など。下落セクターはゴム製品、海運、不動産、空運。
7日のNYダウは75ドル安で3ヵ月ぶりの安値。NASDAQ総合指数は20ポイント下落。オバマ大統領は過激派が実効支配するイラク北部への空爆を検討と報じられ、ガザの戦闘も出口が見えず地政学的リスクによる売りが止まらない。経済制裁への報復としてロシアがフルーツなどの輸入禁止措置を講じアメリカ経済への打撃が意識される。ECBは政策金利を据え置き、新規失業保険申請件数は改善したが、指標が良いと利上げが早まる懸念が台頭。8日朝方の為替レートはドル円が102円台前半、ユーロ円が136円台前半で、円高がさらに進行した。
日経平均は168.64円安の15063.73円で始まる。TOPIXも10ポイントを超える下落。序盤は15050円近辺で踏ん張るが、SQ推計値15036.83円が出たら午前9時17分に15020円まで下落し3ヵ月連続の「まぼろしのSQ」ならず。10時を回ると6月18日以来の15000円の大台割れを喫するが、10時30分まで15000円近辺の水準は維持していた。
オバマ大統領の「イラク北部の限定空爆を承認した」という緊急声明で地政学的リスクのメーターはレッドゾーンに振り切れた。東京市場はリスク回避の円買い、リスクオフの株安・債券高のフルセット。11時台にかけてドル円は101円台、ユーロ円は135円台へ円高が急進し、アジア市場も上海を除き全面安。日経平均は先物主導で11時台に14900円、さらに6月SQ値14807円も14800円もあっさり割り込み11時20分に14753円まで下げ、前引けは14776円だった。
昼休みに日銀の金融政策決定会合の結果が出て、金融政策の現状維持を全員一致で決めて足元の輸出や生産への判断を下方修正した。後場は前引けとほぼ同じ水準で始まり、前場のパニックが少しは落ち着いたか日経平均は14800円台を回復するが14800円プラスマイナス20円の値幅で動かなくなる。午後2時に内閣府から7月の景気ウォッチャー調査の結果が発表され、現状判断指数は3.6ポイント上昇、先行判断指数は1.8ポイント下落。それでも3ヵ月連続改善の現状判断を好感して日経平均は少し上昇し14850円を超えた。
しかし終盤は押し下げられて14800円を割り込み、そのまま大引けとなり454.00円安の14778.37円と大幅反落して1勝4敗、前週末1日終値から744.74円下落して今週の取引を終えた。アメリカの株安、円高、地政学的リスクに今週は勢いを増した海外の先物売り勢力、利益確定売りの金曜日、お盆休み前のポジションの手じまいなどが重なりあい、-2.98%、454円の暴落劇を演じてしまった。日中値幅は321円。TOPIXは-29.86の1228.26で2.37%下落。売買高は27億株、売買代金は2兆5678億円で、マイナーながらもメジャーSQ並みの商いだった。
下落幅が小さい業種は鉱業、空運、その他製品、繊維、サービス、電気・ガスなど。大きい業種は非鉄金属、精密機器、その他金融、不動産、保険、情報・通信などだった。(編集担当:寺尾淳)