米マクドナルド、売上高減。期限切れ肉の影響

2014年08月11日 08:19

 中国の食肉加工会社が期限切れの肉を使用していた問題を受けて、日本マクドナルド<2702>が「チキンマックナゲット」などの販売の中止を発表したばかりだが、しかしこの問題の影響は日本マクドナルドだけでなく、米マクドナルドにまで波及している。

 8日、米マクドナルドは7月の世界の既存店売上高が前年比2.5%ダウンであったと発表。中国の食肉加工会社が期限切れの肉を使用していたことがわかった問題の影響により、日本などのアジア地域での客数が減少したことが原因とみられている。日本や中国などのアジア太平洋・中東・アフリカ地域の既存店売上高は前年比7.3%ダウンと大きく落ち込んだ。そして主力市場であるアメリカは前年比3.2%ダウン、しかしヨーロッパ地域では前年比0.5%アップという結果であった。

 7月、中国の食肉加工会社の「上海福喜食品」が使用期限の切れた肉をマクドナルドなどファストフード店に卸していた疑惑が持ち上がり、これを受けて米マクドナルドは「上海福喜食品」との契約を打ち切り。しかしこの問題がもたらした影響は大きく、日本では「チキンマックナゲット」の販売が中止され、それ以外にも大手コンビニエンスストアチェーンのファミリーマート<8028>なども、「上海福喜食品」から仕入れていた加工肉を使った商品の販売中止を決定した。

 そしてその結果、日本などのアジア太平洋・中東・アフリカ地域の既存店売上はマイナス。さらには主力市場であるアメリカの集客数も減少し売上高は前年比3.2%ダウン。こうした事態を受けて米マクドナルドは、近日中に中国の店舗での「マックチキンナゲット」の販売を再開させるとの目標を発表したものの、2014年の世界売上高見通しについては達成できない可能性があるとも述べた。

 食の安全は消費者にとって無視することのできない大きな問題だ。その安全に疑問が生じている限り、店舗に客足が戻ることはない。可及的速やかに安全に対する信頼を取り戻さなければ、業績の回復もまた叶わないだろう。(編集担当:滝川幸平)