味の素<2802>は、リオ五輪開催の2016年をメドに「アミノバイタル」などスポーツ用サプリメントのブラジルへの輸出を始める方針が報じられたが9円安。この分野は「ゲータレード」などがひしめく激戦区。ヤクルト本社<2267>は240円安で値下がり率3位。同社の抗がん剤「エルプラット」の後発品がこの日、厚生労働省から承認される見通しになったため。
バルチック海運指数が約8%の大幅上昇をみせ、UBSは川崎汽船<9107>のレーティングと目標株価を引き上げた。海運セクターは業種別騰落率トップになり、日本郵船<9101>は売買高7位で6円高、商船三井<9104>は売買高10位で10円高、川崎汽船は売買高4位で9円高になり5日続伸した。10月からの国内線の2割削減、最大69%の値上げを発表したスカイマーク<9204>は2円高。春に客室乗務員のスカートの長さをめぐって〃論争〃が起こった頃が華だった。
高級フランス料理のひらまつ<2764>の4~6月期決算は経常利益6.18億円、純利益3.99億円で中間期見通しの半分に届かず4円安。和食の木曽路<8160>は3店舗で「松阪牛」と称して安価な牛肉を提供した偽装表示が発覚し98円安で値下がり率2位だった。
今月ずっと軟調だった不動産セクターは週末でもあり買い戻され業種別騰落率2位。三井不動産<8801>は4円高にとどまったが、三菱地所<8802>は売買代金7位で45.5円高、住友不動産<8830>は71.5円高、東京建物<8804>は21円高。NTT都市開発<8933>は三菱UFJ証券がレーティングと目標株価を引き上げ61円高で値上がり率13位、タカラレーベン<8897>は23円高で同8位。飯田GHD<3291>は81円高で同14位、タマホーム<1419>は32円高で同17位だった。しかし不動産仲介のオープンハウス<3288>は10~6月期の純利益が2.3倍の46億円と決算は好調だったが81円安で値下がり率5位。ヒューリック<3003>も37円安で値下がり率7位と売られていた。
訪問介護事業を手がけるN・フィールド<6077>は無線ブロードバンドのワイヤレスゲート<9419>との業務提携を発表。異業種のコラボで高付加価値なサービスを追求するという。N・フィールドは35円安、ワイヤレスゲートは330円高。夏旅シーズン真っ盛りで高級宿泊施設予約サイトの一休<2450>は69円高。スマホコンテンツのエムアップ<3661>は4~6月期の経常利益が37%増の1.51億円で33円高。タレントのファンクラブサイトが安定した有料会員収入をもたらしたという。
ゲーム関連は、ボルテージ<3639>は前日発表の6月期決算で営業利益は2.1倍でも今期営業利益見通し3%減を問題視され124円安で値下がり率1位。Klab<3656>は売買代金14位で17円高。ネットワークゲームのネクソン<3659>は1~6月期の純利益が24%減だったが8円高。今月前半の主役級のコロプラ<3668>とミクシィ<2121>は売り買いが交錯しプラスとマイナスの間で揺れ動き、終値はコロプラ15円高、ミクシィ20円安。コロプラは売買代金2位だった。「夏休みお試し組」はこの日で手じまいかもしれないが、小遣い銭は稼げただろうか?
新興市場は日経ジャスダック平均が0.72%上昇、東証マザーズ指数が1.79%上昇。4~6月期の経常利益が1.8億円の赤字だったサイバーダイン<7779>は150円高。業績よりも将来性で買われる銘柄の代表例。
この日の主役は「カジノ関連銘柄」。京浜急行電鉄<9006>が仲間入りし、カジノやホテルで構成される統合型リゾート(IR)運営事業への参画を目指すと報じられ27円高で年初来高値更新。想定候補地は東京・お台場と横浜市の山下埠頭で、事業主体の企業連合を近く立ち上げるという。羽田空港アクセスのメリットを生かし訪日外国人を呼び込む。京急は沿線に公営競技施設が多く、周辺に遊技場が集中立地する駅もある。そんな〃ご縁〃もカジノに活かせるか?
しばらく静かだったカジノ関連銘柄に買いが入り、日本金銭機械<6418>は30円高、オーイズミ<6428>は26円高、セガサミーHD<6460>は31円高、コナミ<9766>は40円高、エイチ・アイ・エス<9603>は35円高。カジノ解禁に「治安悪化の懸念がぬぐえない」と慎重論を唱える与党の公明党も、1998年に当時の「公明」が「教育上問題が生じる」と反対した「サッカーくじ法案」の衆議院本会議の採決で党議拘束を外して議員の自由投票に任せた経緯があり、同じ議員立法で継続審議中の「統合型リゾート推進法案(カジノ法案)」が秋の臨時国会で可決・成立する可能性は決して小さくない。(編集担当:寺尾淳)