終戦記念日 各党 談話で立場がより鮮明

2014年08月15日 17:48

 69回目の終戦記念日を迎え、自公民など各党が党声明や談話を発表した。自民党は「積極的平和主義のもと、平和外交をさらに積極的に推進する」とするとともに「政府は与党協議を踏まえ、自立した国家として国民の生命・財産を守る責務を果たすため、国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備についての閣議決定を行った。国会審議等を通じ、国民の理解を求めながら法整備を進める」と『自立した国家として』との文言を入れたうえで、集団的自衛権の行使容認の閣議決定に沿った安保法整備を進める旨を強調した。

 また、自民党は「平和と自由を愛する国民政党として先人が築かれた日本を次の世代に引き継ぎ、世界平和への義務を果たし、人類共通の価値に貢献する有徳の日本を目指し、全力を尽くす」とした。

 公明党は「8月15日は、不戦、平和を誓い合う日。69年前の夏、戦争はもう二度と繰り返さないとの強い決意で平和国家として再出発した平和・日本の初心は日本国憲法の平和主義に明らか」と平和憲法のもとに再出発したことを示し「唯一の被爆国である日本は核兵器の非人道性を世界に訴え、核兵器廃絶に向けてリーダーシップを発揮していくべき」とアピールした。

 また「安保法制の整備に関する先の閣議決定においては公明党が連立政権の一翼を担っているがゆえに憲法の平和主義、専守防衛を堅持し、平和国家としての新たな安全保障の枠組みをつくることができたと確信している」と専守防衛と平和主義を堅持させたと平和の党としての存在を強調した。

そのうえで、与党協議を踏まえての集団的自衛権の行使容認の閣議決定や安保法整備についても「今後とも丁寧な説明責任を尽くすとともに、法律改正など立法措置に対しても引き続き責務を果たしていく」とした。

 一方、野党第1党の民主党は「安倍政権は今までの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、我が国に直接武力攻撃がない場合でも自衛隊による武力行使を可能とする道を開こうとしている」と安倍政権を強くけん制。

 「(政府のやり方は)立憲主義に反する」と批判するとともに「集団的自衛権の行使を容認するための新たな三要件には密接な関係にある他国や幸福追求の権利等の概念が加えられているが、武力行使の是非は時の政権の総合的な判断に委ねられ、歯止めとは到底言えない」と歯止め機能を果たせないとした。そのうえで「専守防衛の原則を崩す企てには断固反対する」と政府との対峙姿勢を鮮明にした。

 共産党の山下芳生書記局長は「集団的自衛権行使容認の閣議決定は憲法9条のもとでは海外での武力行使は許されないという従来の憲法解釈を180度転換し、日本を海外で戦争する国に変えるもの。安倍首相は国会でのわが党の追及に、アメリカが戦争に乗り出したさいに自衛隊が戦闘地域まで行って軍事支援を行う事、相手から攻撃された場合に武器の使用はするとして、武力行使を行う事を認めた。アメリカの戦争のために日本の若者の血を流す、これこそ安倍政権がやろうとしていることの正体」と批判。

 また「閣議決定は日本に対する武力攻撃がなくても、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合には、集団的自衛権の行使ができるとしている。安倍首相は石油の供給不足や日米関係に重大な影響がある場合でも武力の行使がありうると答弁し、時の政権の判断で海外での武力行使が無限定に広がることが明らかとなった。かつて日本軍国主義が帝国の存立、自存自衛の名で侵略戦争を進めた過ちをふたたび繰り返すことは許されない」とし「軍国主義復活の野望を阻止するため」国民的共闘を世論に呼びかけた。(編集担当:森高龍二)