泣く子も黙る妖怪ウォッチ ヒットの条件は妖怪、友情、ネコ?

2014年08月24日 15:26

 「妖怪ウォッチ」が社会現象と化している。ゲームやアニメ、コミック、テーマソング、おもちゃなど関連商品も好調で、特に主人公が身につけている腕時計型のおもちゃ「DX妖怪ウォッチ」は大人気だ。「DX妖怪ウォッチ タイプ零式」は8月2日の発売直後からすぐに品薄状態となり、生産が追いついていない状況にある。ネット販売やオークションでも取り扱われており、希望小売価格が3,456円であるのに対し、2~3倍の値で取引されている。本当に欲しがっている子どもの元には届かず、転売目的の人が商品の買い占めを行っているという批判の声もある。バンダイナムコホールディングス<7832>は5日、年内に累計200万個の販売を目指し、商品の増産を急ぐと発表した。

 妖怪ウォッチの大流行は、2013年7月11日に発売されたニンテンドー3DS用ゲームソフトから始まる。アニメ化やコミック化を前提として開発が進められ、当初の予想どおり子どもたちの間で爆発的に人気が広がった。ストーリーは、夏休みに妖怪ウィスパーと出会ったことで妖怪ウォッチを身に付けるようになった主人公が、様々な問題を解決していくというもの。友達になった妖怪からメダルが与えられ、妖怪ウォッチにメダルをセットすることで味方となって共に戦ってくれる。妖怪、友情、闘いと男の子が好む条件を揃えた上、「妖怪ジバニャン」にネコのキャラクターを採用することで女の子の心も掴んだようだ。

 妖怪ウォッチや妖怪メダルなどバンダイの関連商品の売上高は、当初計画では15年3月期で70億円を予定していた。しかし予想を大きく上回る売れ行きに支えられ、早くも14年9月中間期までに100億円を突破しそうだ。バンダイは14年第1四半期(4~6月期)決算を発表。売上高は前年同期比15・7%増の1,225億円にものぼった。さらに営業利益についてはナムコと経営統合した05年以来の最高益で、前年同期比26・2%増の168億円。妖怪ウォッチによる快進撃は当分の間続きそうだ。(編集担当:久保田雄城)