【日経平均】今年2番目の薄商い、日中値幅最少で52円高

2014年09月01日 20:07

 東証2部はソディック<6143>が234円の3ケタ高になり、売買代金で東証1部1位のソフトバンクの1.9倍という大差。ラオックス<8202>は14円高、建設関連株のゼニス羽田HD<5289>は42円高で年初来高値更新。USJ関連の櫻島埠頭<9353>も49円高で年初来高値を更新した。東証2部指数は+1.51%で今年最長の14日連騰。昨年は15連騰という記録がある。

 業種別騰落率トップは建設セクター。建設関連銘柄が売買高では20位以内に8銘柄、値上がり率では同じく10銘柄が入りランキング表をジャック。売買高ランキングでは1位に売買代金9位の三井住友建設<1821>、2位に売買代金も2位の熊谷組<1861>、4位に売買代金8位の日本コンベヤ<6375>、6位に売買代金3位の鉄建<1815>、7位に飛島建設<1805>、9位に不動テトラ<1813>が入った。日本コンベヤ以外は年初来高値更新。鹿島<1812>も値上がり率16位に入り年初来高値を更新するなどゼネコン大手も負けていない。値上がり率ランキングでは1位に日本コンベヤ、4位に飛島建設、5位にPS三菱<1871>、7位に駒井ハルテック<5915>、9位に大和小田急建設<1834>、11位に錢高組<1811>、13位にヤマウラ<1780>、15位に熊谷組が入っていた。

 LIXILG<5938>はみずほ証券がレーティングと目標株価を引き下げ5円安で年初来安値を更新。日新製鋼<5413>は843.5万株の売出しによる需給悪化懸念で55円安になり値下がり率7位。日本金属<5491>は12円高で年初来高値更新と買われた。デング熱は週末、新潟市、横浜市、横須賀市でも患者が報告され、患者数はさらに増え22人。東証2部のフマキラー<4998>はストップ高の80円高で年初来高値更新。アース製薬<4985>は125円高。幸い患者は全員、快方に向かっている。伊藤園<2593>は悪天候が原因で5~7月期の営業利益6割減の業績観測が出て4円安だった。

 11月で、5年続けたサミットネットスーパーから撤退する住友商事<8053>は11円高。「ネットスーパー」はテーマ物色された時期もあったが、小売大手が次々参入し競争激化で売上を伸ばせず赤字から脱却できなかったという。アスクル<2678>は、オフィスの夏休みで減収を見込んでいた8月の売上高が予想外の好調で3円高だった。

 店舗などの空間デザインの丹青社<9743>は、1月期通期の営業利益見通しを7億円上方修正し64円高で年初来高値を更新し値上がり率12位。2~7月期の受注は好転したという。テンプHD<2181>傘下のテンプスタッフは9月から主婦向け復職支援プログラムを始めると報じられ5円高。学研HD<9470>は栄光HD <6053>と資本業務提携し、自己株式280万株の第三者割当で概算約7.5億円を調達するスキームで7円高、栄光HDは75円高で年初来高値更新。

 日銀会合の週で緩和期待込みで不動産セクターは業種別騰落率4位。三井不動産<8801>は37円高、三菱地所<8802>は19.5円高、住友不動産<8830>は43円高。東急不動産HD<3289>は傘下の東急リバブルが9月から商業施設の再生事業に乗り出し9円高。この日、東証1部に指定替えになった不動産サブリースの日本管理センター<3276>は125円高で年初来高値更新と買われた。この日、社名変更したNKSJHD改め損保ジャパン日本興亜HD<8630>は5円安。自然災害が多いと損保株は安くなる。

 ゲーム・コンテンツ関連は、任天堂<7974>は10月に「ニンテンドー3DS」の改良版発売を発表し205円高。しかしセガサミーHD<6460>は4~9月中間期の経常損益を80億円の赤字から30億円の黒字に上方修正したが、それでも売買代金6位と売り浴びせられ175円安で値下がり率1位。夏休みが終わったせいかゲーム関連が軟調で、ミクシィ<2121>は110円安、コロプラ<3668>は売買代金14位で90円安、Klab<3656>は同15位で57円安、ボルテージ<3639>は73円安で値下がり率10位、カプコン<9697>は22円安。2学期はゲームばかりしていないで勉強しよう。しかし日本エンタープライズ<4829>はストップ高の100円高で値上がり率3位に入り、お父さんのマネーゲームのほうはクセになって終わらない。

 新興市場は日経ジャスダック平均が1.57%、東証マザーズ指数が0.66%それぞれ上昇。秋は新規IPO、指定替えのシーズン。サイバーエージェント<4751>は5日の東証1部指定替え承認を発表し150円高だった。

 この日の主役はインド関連。モディ首相が31日来日し、東証を見学後に日印首脳会談が行われ、安倍首相は今後5年間で日本からの直接投資額と進出企業数を2倍にする目標を示した。モディ首相は原発や新幹線の導入に意欲的。インド関連の代表格のスズキ<7269>は14円安だったが、パナソニック<6752>は光触媒技術を提供してインド最大財閥タタ・グループと共同で地下水から有害物質を効率的に取り除き安全な水を確保する装置を開発というニュースがあり6円高。インドだけでなく2020年に世界最大規模になると見込まれるアジア全体の水市場を狙う。

 136円高の日本電産<6594>は約1000億円を投資しインドに新工場を建てる計画がありモディ首相と永守社長の1対1の会談タイムが設けられた。良品計画<7453>は現地大手小売資本と合弁で2015年に「無印良品」をインドに開店させると報じられ180円高。日本の大手小売業では初進出。モディ政権は小売業規制を緩和し、12億人の巨大市場への外資誘致に積極的な姿勢をみせている。(編集担当:寺尾淳)