【日経平均】ドル円107円タッチで120円高15900円台乗せ

2014年09月11日 20:18

 アップルが買い直されてアップル関連銘柄も上昇。TDK<6762>は120円高で年初来高値を更新。日東電工<6988>は110円高、京セラ<6971>は63円高、太陽誘電<6976>は41円高、航空電子<6807>は28円高、ミツミ電機<6767>は22円高。村田製作所<6981>は100億円を投資して福井県越前市に工場を建設し、圧倒的な強みを持つスマホ部品「積層セラミックコンデンサー」の増産に乗り出すと報じられ前場に年初来高値を更新したが、後場に利益確定売りにあい5円高で終了した。フォスター電機<6794>は5円安。iPhone6をめぐるキャリアのMNP顧客争奪戦も始まり、NTTドコモ<9437>は17円高で年初来高値更新、KDDI(au)<9433>は112円高、ソフトバンクは230円高。

 情報セキュリティーソフトのラック<3857>は、3504万件の個人情報漏洩事件が起きたベネッセHD<9783>とシステム運用・保守・データ運用の合弁会社を設立することで合意と発表し一時ストップ高の50円高で年初来高値更新。他社のお手本になるようなシステムを構築して名をあげるチャンス。ベネッセHDは5円安。

 川崎重工<7012>は3月期の有利子負債400億円削減と、名古屋に「ボーイング777x」向け新工場を建設すると報じられ売買高12位で9円高。BNPパリバが建機のコマツ<6301>と日立建機<6305>のレーティングを2階級特進させ、コマツは24円高で年初来高値を更新し日立建機は50円高。九州電力<9508>は後場一段高になり75円高で値上がり率8位。株価の上では川内原発再稼働すでに確定の様相。泊原発の北海道電力<9509>も40円高と買われていた。

 建設セクターは業種別騰落率最下位と不振で、熊谷組<1861>は18円安で値下がり率7位。この銘柄は売買高4位、売買代金10位に残ったが、値動きなしの三井住友建設<1821>は同13位、10円安の鉄建<1815>は20位以内からも消え、リニア着工先延ばしや麻生財務大臣の「臨時国会に補正予算案を提出しない」発言をきっかけに、建設関連は火が消えたようになってしまった。

 建材、家具用の鋼管や型鋼、自転車リムを製造する新家工業<7305>は株式新聞が1面で注目株としてとりあげストップ高の50円高で年初来高値を更新し値上がり率1位。売買高9位。歩行支援器を出す今仙電機製作所<7266>は226円高で年初来高値を更新して値上がり率2位と大幅続伸し売買代金3位に食い込んだ。九州が地盤の住宅建材卸のOCHIHD<3166>は消費増税後の反動減に加え西日本の天候不順で住宅工事の遅れが続発し、中間期と通期の業績見通しを下方修正し7円安。通期の営業利益は従来予想を20.3%下回り18.6%減益の17.7億円の見込み。

 DRシーラボ<4924>は7月期決算を発表。売上高は5.7%増だったが販促費負担が重く営業利益は1.0%減。ともに従来予想を下回って165円安で値下がり率11位。家電量販店のビックカメラ<3048>とケーズHD<8282>は8月の既存店売上実績が4月以来初の増収に転じ、ビックカメラは18円高、ケーズHDは10円高。学情<2301>は89円安で値下がり率3位だった。

 新興市場は日経ジャスダック平均は0.22%上昇、東証マザーズ指数は3.14%の大幅上昇。ミドリムシのユーグレナ<2931>は、ファミリーマート<8028>で石垣島産ミドリムシを使用したパン、デザートなど8種類の食品を発売すると発表して35円高。

 秋の新規IPOシーズンいよいよ開幕。東証マザーズに金融関連のジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)<7172>が新規上場した。初値がつかず公開価格2550円に対し5870円と2倍を超える買い気配で終了した。前日はリクルートHD<6098>の10月16日の東証上場が正式に承認され、時価総額1.6兆円で現在のところ今年最大。市場は第1部が有力視されている。保有株の簿価が低く上場のメリットが大きい銘柄として物色されてきた図書印刷<7913>は、材料出尽くし感なのか46円安で値下がり率2位。王子HD<3861>は2円高だった。

 この日の主役はゲーム関連「旧勢力」で忘れた頃のグリー<3632>で、売買高16位、売買代金17位で71円高、9.06%と大幅上昇し値上がり率4位。子会社のポケラボが9月9日にリリースしたRPGスマホゲーム「クロスマナー」が人気上々で、「グリーはスマホゲームで出遅れてダメになった」という汚名を一気に雪いで挽回できるか? クロスマナーは若き騎士の冒険ファンタジー。それにしてもサーガ(英雄伝)とかウィッチ(魔女)とかラビリンス(迷宮)とか、ゲームの世界はヨーロッパ中世の暗黒がお好き。

 「新・御三家」のミクシィ<2121>はストップ高の700円高と反発し、コロプラ<3668>は売買代金8位に入り170円高で値上がり率17位、ガンホー<3765>は8円高。Klab<3656>は売買代金15位に入り153円高で値上がり率3位。エイチーム<3662>は300円高で値上がり率16位。しかしenish<3667>は88円安で値下がり率9位で、コナミ<9766>はクレディスイスがレーティングを引き下げ28円安で3日続落した。来週18日から千葉市の幕張メッセで「東京ゲームショウ(TGS)2014」が開かれる。各社が意欲的な新作をお披露目し、評判が良ければ株価も反応しそうだ。一般の人がゲームを実体験できる一般公開日は20~21日になる。(編集担当:寺尾淳)