中・小型銘柄物色の流れでテーマ株が買われ、後場は中小建設銘柄の上昇が目立った。おなじみの熊谷組<1861>は売買高4位、売買代金13位で17円高、鉄建<1815>は15円高、三井住友建設<1821>は株式新聞の1面注目株になり売買高5位で4円高。建設セクターは業種別騰落率トップだった。
エボラ出血熱のテーマ物色は衰えるどころかヒートアップする一方。富士フイルムHDが売買代金9位と買われて93円高になった以外にも、クリーンルームのエアーテック<6291>がストップ高の100円高で年初来高値を更新し値上がり率2位、バイオ防護服のアゼアス<3161>もストップ高の100円高で年初来高値更新。感染管理分野で伸びる大幸薬品<4574>の143円高、値上がり率6位も無関係ではなさそうだ。
「おまめさん」など昆布、煮豆の総菜食品で知られるフジッコ<2908>は、東海東京調査センターが新規にレーティング「1」、目標株価2000円を設定し116円高で年初来高値を更新して値上がり率5位。セブン&アイHD<3382>は前日に3~8月中間期の決算を発表し、営業利益は1.6%増益で従来予想を下回り51円安。通期見通しは据え置いている。セブンイレブンの業績がいいのでマーケットの見方が厳しい。
3日間で694円も下落した日経平均がようやくトンネルの出口から出たのとは対照的に、依然として地中を這うのが不動産セクターでこの日も業種別騰落率最下位。三井不動産<8801>は58円安、三菱地所<8802>は33.5円安、住友不動産<8830>は売買代金8位に入りながら91.5円安で連日の年初来安値更新。一方、「ワンデーパスポート狙い」のテクニックが女性誌でも紹介されて株価がどんなに高くても株主優待取りで買われるオリエンタルランド<4661>は、9月26日の権利落ち後も株価が底堅く415円高。「権利落ちは押し目買いのチャンス」でもこんな超人気銘柄は例外か?
スカイマーク<9204>は17円高で値上がり率4位。西久保慎一社長自らフランスに乗り込んでエアバス社と直談判し、A380機6機の発注キャンセルの違約金を約710億円から200億円にまけさせたと報じられた。前払金230億円の範囲内なので追加負担はなし。事実ならば痛快な話。ネット・コンテンツ関連では経営統合したばかりのカドカワドワンゴ<9468>が135円安で値下がり率4位と売られたのが目立った。新興市場は日経ジャスダック平均が0.81%上昇、東証マザーズ指数が後場尻上がりに上昇して3.30%上昇と下げ止まり。30日にマザーズに新規上場したITセキュリティのFFRI<3692>が大人気でストップ高の1000円高。終値6410円は公開価格1450円の4.42倍に達した。
この日の主役はCVSベイエリア<2687>。前日の年初来安値から急反発し24円高、17.52%上昇で値上がり率1位、売買高16位と買われた。千葉、東京、神奈川の東京湾岸地域で「ローソン」のFC店約130店舗を展開し、ビジネスホテル、クリーニング取次店なども運営する。コンビニ手数料収入の増加、ホテルの業績堅調で営業利益を1.1億円から1.5億円へ、最終利益を0.5億円から2.1億円へ3~8月中間期見通しを上方修正した。事業エリアが東京五輪で潤いそうな地域と重なることも投資家の関心を呼んでいる。(編集担当:寺尾淳)