26日のNYダウは167ドル高で17000ドル台を1日で回復し「約6割戻し」。NASDAQ総合指数は45ポイント上昇した。約1ヵ月前の水準に後退した水準を「売られすぎ」とみて押し目買い意欲旺盛。ミシガン大学消費者信頼感指数改定値が堅調で4~6月の実質GDP確定値が上方修正されたのも支援材料だった。29日朝方の為替レートはドル円が109円台前半、ユーロ円が138円台後半で、前週同様の円安の水準が続いている。
日経平均は109.17円高の16339.03円と16300円台を回復して始まる。TOPIXもプラスで開始。しかし午前9時3分の16344円をピークに下落し、9時台後半は16300円を割り込み16290円近辺で小動きする。それでも10時台に入れば16300円を超える。上海市場はプラスで始まるが、香港市場は民主派の抗議活動が騒乱事件に発展し大幅安スタート。それでも為替が円安方向に動いたので16330円近辺まで上昇する。11時台は水準を下げ前引けは16299円だった。
後場は16300円台を回復して再開するが午後1時4分には16262円まで下落する。1時台は16300円割れの水準で推移したが、この日に召集された臨時国会で安倍首相が所信表明演説を始めて「経済最優先の政策運営」「地方創生」「女性の活躍支援」などを強調すると2時から109円台後半までドル高円安が急進して6年1ヵ月ぶりの水準に。しかし日経平均は16320円近辺で上値を抑えられ、16300円そこそこの水準で推移。香港ハンセン指数が下げ幅を500ポイントまで拡大し、上海もつられてマイナスに転じた。円安一服もあって終盤も上値を追えず、80.78円高の16310.64円で終えて反発した。高値波乱気味のNY市場を横目に東京市場は手堅い値動きでも26日の配当落ち分約91円は埋められず。日中値幅は82円。TOPIXは+5.35の1337.30。売買高は18億株、売買代金は1兆7794億円で7日ぶりに2兆円を割り込んだ。
プラスのセクターの上位は機械、建設、その他製品、金属製品、電気機器、空運など。マイナスのセクターの下位はパルプ・紙、石油・石炭、海運、その他金融、鉱業、非鉄金属などだった。
29日のNYダウは41ドル安。NASDAQは6ポイント下落した。最大の下げ要因は行政長官選挙をめぐる香港の騒ぎで、思わぬ中国リスクの発生でVIX指数(恐怖指数)は上昇。停戦したはずのウクライナで戦闘による死傷者が出たという報道もあり下げ幅は序盤一時170ドルを超えたが、個人消費支出など経済指標は堅調で、シカゴ連銀のエバンス総裁が早期利上げに慎重な見方を示したこともあり徐々に買い戻された。30日朝方の為替レートはドル円が109円台前半の円安水準を堅持しユーロ円は138円台後半だった。
8月の国内経済指標がまとめて発表。労働力調査は失業率が3.5%で7月比で0.3ポイント低下し市場予測よりも0.1ポイント良かった。有効求人倍率は1.10倍で6月、7月と同じで市場予測とも同じ。家計調査の二人以上世帯の実質消費支出は前年同月比で4.7%減で5ヵ月連続マイナスで市場予測を1.1ポイント下回った。商業販売統計の小売業販売額は前年同月比1.2%増で2ヵ月連続プラス。大型小売店は1.8%増だった。鉱工業生産指数速報値は市場予測の0.3%増に対し7月比1.5%減で2ヵ月ぶりに低下するというネガティブサプライズだった。
日経平均は57.92円安の16252.72円で始まった。TOPIXもマイナス。香港はやはり気になるのか、「寄り付き高値(寄り天)」で約30分で16120円まで下落するが、その後は16170円を超える水準まで戻す。10時30分に発表された毎月勤労統計調査速報の現金給与総額は前年同月比1.4%増で6ヵ月連続で上昇したが、物価変動分を考慮した実質賃金は2.6%減。世界が注目する香港ハンセン指数は大幅続落で始まるが上海総合指数はプラスで6日続伸と好対照。しかし10時45分にHSBCの中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が速報値を0.3ポイント下回る50.2に下方修正され市場予測の50.5を下回ると上海もマイナスに転じ、日経平均も再び下落開始。11時台は16100円を割り込み、前引け直前に16058円の安値をつけ前引けは16070円。
昼休み中にドル円の円高が進行したが後場は少し高く16087円で再開し、すぐに16100円を再び超える。為替も円安方向に戻していた。1時発表の8月の自動車生産台数は前年同月比6.7%減で2カ月連続マイナス。1時台はおおむね16100~16130円で小動きし、1時45分頃から水準が少し上がり16130~16150円に。為替もほとんど動かなくなる。香港ハンセン指数は年初来安値更新。2時発表の新設住宅着工戸数は前年同月比12.5%減で6カ月連続マイナス。2時台後半になると下げ幅を縮小し16170円付近まで上昇するが、それでも大引け前には大量の売買が入って乱高下し、終値は137.12円安の16173.52円で反落。前月末29日の終値から748.93円上昇し9月の取引を終えた。日中値幅は194円と大きい。TOPIXは-11.01で1326.29。売買高は23億株、売買代金は2兆2798億円と月末らしく活発な売買だった。