【今週の振返り】9月の上昇の7割を消して521円下落した週

2014年10月04日 20:16

画像・東証取引時間延長を検討 背後に利害闘争が見え隠れ

110円にタッチした為替の円安も、年初来高値をたびたび更新した株高も、9月に漂う蜉蝣(かげろう)のような、はかなさ。

 2日のNYダウは3.66ドル安で小幅ながら4日続落。NASDAQ総合指数は8.11ポイント上昇。午前中はECB理事会の結果を受けて16674ドルまで下落したが、午後は一転、買い戻されてプラスに浮上した。そのECB理事会では量的緩和政策で期待された国債購入は行われずヨーロッパ市場の失望売りがNY市場に波及。午後の買い戻しの主役はネット・ハイテク系。3日朝方の為替レートはドル円が108円台前半、ユーロ円が137円台前半で、やはりユーロが下落していた。

 日経平均は45.51円安の15616.48円で始まる。ところが午前9時台は上昇してプラスになり15700円台に乗せる。かと思えば15600円を大きく割り込んで安値を更新。10時台は下げ幅を1ケタまで圧縮したかと思えば、騒乱なお続く香港のハンセン指数が3日ぶりにマイナスで再開すると再び15600円割れ。上海、ムンバイ、ソウルの株式市場は休場。11時を回ると再度プラスに浮上するが前引けは三たびマイナスの15632円で引けた。為替のドル円も日経平均もTOPIXも、先物主導でローラーコースターのようなアップダウンを繰り返す。海外の先物売り勢力、「GPIF、日銀、個人」の買い支え勢力、それにアメリカ雇用統計発表前のイベントドリブン勢力が三つどもえのような相場だった。

 後場は円高が進んだため前引けよりも下の水準で乱高下し、午後1時30分には15559円の安値をつける。その後は雇用統計発表を控え様子見ムードに傾くかと思われたが、右肩上がりの上昇劇が始まる。2時までに15600円を回復し、2時台後半になるとプラスに浮上。きっかけは黒田日銀総裁の発言で、午後、衆議院予算委員会で「円安の進行で輸入物価が上昇する一方で輸出や企業収益が改善する。円安は日本経済全体にとってマイナスではない」などと答弁し、改めて持論を展開した。終盤、日経平均は先物やファーストリテイリング<9983>など値がさの銘柄を中心に一直線に上昇を続け15700円を突破。為替のドル円も109円に一時タッチした。終値は46.66円高の15708.65円で高値引けになり4日ぶり反発。2勝3敗、前週末9月26日終値から521.21円下落して今週の取引を終えた。日中値幅は149円。TOPIXは+2.39の1282.54と日経平均より上昇は控えめ。売買高は21億株、売買代金は2兆1592億円で、4日連続で大台に乗せた。

 プラスのセクターの上位は建設、化学工業、食料品、サービス、ゴム製品、その他製品など。マイナスのセクターの下位は不動産、パルプ・紙、電気・ガス、その他金融、鉱業、海運などだった。(編集担当:寺尾淳)