TDK<6762>は記憶容量が現行の2倍以上のHDD基幹部品を開発して40円高。2016年以降アメリカの大手メーカーに供給する。オムロン<6645>は三菱UFJ証券が目標株価を引き上げ110円高。オリジン電気<6513>は4~9月中間期の営業利益見通しを10億円から13億円に、純利益見通しを5億円から8.5億円に、通期の営業利益見通しを16億円から19億円に、純利益見通しを8億円から11.5億円にそれぞれ上方修正し29円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。「ミリ波レーダー」で自動運転関連銘柄に入っているイリソ電子工業<6908>はみずほ証券がレーティングを引き下げ420円安。大真空<6962>もみずほ証券がレーティングを引き下げ20円安で値下がり率10位だった。
東京電力<9501>と中部電力<9502>は共同出資会社設立、LNG共同調達など火力発電分野の提携で基本合意。東京電力は3円高、中部電力は13.5円高だった。自動車向け塗料樹脂や半導体材料を製造する大阪有機化学<4187>は12~8月期の営業利益を27.8%増と発表し5円高。農薬の北興化学工業<4992>は12~8月期の営業利益を3.5倍と発表し11月期通期の営業利益を10億円から17.5億円に上方修正し10円高。積水化学工業<4204>は下水を熱源とする新空調システムを開発して1円高だった。
食料品セクターの味の素<2802>は34.5円高、日本ハム<2282>は65円高でともに年初来高値更新。イオン<8267>は政府の「農地中間管理機構(農地バンク)」を利用し、小売業で初めて埼玉県羽生市でコメの生産を行うと報じられたが7円安。2015年秋にイオンの店舗で販売するという。西日本でスーパー「イズミ」「ゆめタウン」を展開するイズミ<8273>は3~8月中間期決算を発表し、営業利益5.9%減、純利益7.2%減の増収減益で190円安になり3日ぶり反落。同業で埼玉県、群馬県に展開するベルク<9974>の3~8月期決算は営業利益13.3%増、純利益20.0%増で年間配当を4円増配して71円高で上場来高値更新。個人消費の首都圏と地方の落差を反映したような決算で、「地方創生」のテコ入れはやはり必要か?
リクルートHD<6098>は前日、16日の東証1部上場と仮条件上限の3100円の公開価格が決定。時価総額は1兆7794億円。関連銘柄として知られる図書印刷<7913>は14円高だった。不動産情報サイト「HOME’S」のネクスト<2120>は世界最大級のアグリゲーションサイトを運営するスペインのトロビットリサーチ社の全株式を111億円で買収して子会社化するニュースで24円高になり値上がり率11位。住友不動産<8830>は14円高で6日ぶり反発。三井不動産<8801>も12円高だった。この日の業種別騰落率トップは保険セクターで、生損保の代表銘柄の第一生命<8750>は14円高、東京海上HD<8766>は売買代金16位で78円高だった。
ネット・コンテンツ関連ではクルーズ<2138>が102円高。グリー<3632>を通じて配信予定のスマホゲーム「NARUTO-ナルト-忍コレクション疾風乱舞」の前評判が高い。忍者の修業物語で海外でも人気のアニメのゲーム化。この日の新興市場は日経ジャスダック平均が0.50%下落し、東証マザーズ指数は3.13%も下落。その中で直近IPO銘柄のFFRI<3692>は90円高で1日に初値がついてから4日連騰している。
この日の主役は売買高9位、売買代金ではトップ。95.5円高で3日続伸し年初来高値を更新した富士フイルムHD。エボラ出血熱関連としては空気清浄装置の日本エアーテック<6291>が76円高で値上がり率1位、バイオ防護服のアゼアス<3161>が99円高と連れ高していた。そんなホットな話題と別に、シティGは「決算発表以降に公表予定の新中期経営計画に注目」とコメントを出していた。富山化学の「アビガン(ファビピラビル)」はドイツでもウガンダ人患者に投与され、フランスとギニアはエボラ出血熱の治療効果を確かめる臨床試験を行うと報じられ、スペインの首都マドリッドでは新たに患者が出てヨーロッパを震撼させている。前日発表のノーベル医学・生理学賞の受賞対象が脳のメカニズムの解明という医薬品などのビジネスに直接つながりにくいテーマだったため、他の有力候補の受賞を想定して関連銘柄物色をスタンバイしていた投資家が「残念。ではこれにするか」と一斉に買い向かった感もあった。(編集担当:寺尾淳)