訪日外国人観光客に人気の無添加化粧品のファンケル<4921>は、みずほ証券がレーティングと目標株価を引き上げ123円高で年初来高値を更新し値上がり率5位。日清食品HD<2897>は、傘下の日清食品冷凍の冷凍パスタの一部にゴキブリ混入の可能性があり75万食の回収を決めて60円安。セブン&アイHD<3382>は、弁当などを肥料として再利用できる小型の生ゴミ処理機をクラレ<3405>や東北大学と開発しコンビニに導入すると報じられたが57円安。クラレは16円安。すかいらーく<3197>は11月の既存店売上高が5%増で主力のガストは7.7%増と発表したが4円安。外食向けのカット野菜などを手がける東証2部のデリカフーズ<3392>は東証から17日付の第1部への指定替えを承認された。記念配当2円の実施も決めて期末配当予想を15円から17円に増額修正し、129円高で年初来高値を更新した。
政府は祖父母や親が20歳以上の孫や子に結婚や出産、子育ての費用を贈与する場合、贈与税を非課税とする制度を新設する方針と報じられた。非課税枠は贈与対象1人あたり1000万円を軸に2015年度の税制改正大綱に盛り込むべく調整中。恩恵を受けそうな代表銘柄のピジョン<7956>は20円高、ユニチャーム<8113>は10円高。CM制作会社TYO<4358>は8~10月期決算の経常利益は45.7%増の3.5億円と好調。株主3名限定で好きな歌を唄うミュージックビデオのDVDを制作する『株主様!あなたがアーティスト!』というユニークな株主優待策を発表したが1円高と反応薄。衣装もバックバンドも用意するといい、話題にはなりそう。
ゲーム・コンテンツ関連銘柄のenish<3667>は114円高で値上がり率6位。「千年の巨神」が国内ゲームアプリの無料ランキングでトップになり、前日にレストラン経営ゲーム「ぼくのレストラン2」でクックパッド<2193>のレシピサイトとのコラボキャンペーンを開始と発表したのが買い材料。クックパッドは5円高。マーベラス<7844>は売買高4位、売買代金2位に入って160円高で値上がり率3位、コロプラ<3668>が207円高で同4位に入るなどゲーム銘柄には買いが入っていたが、「新御三家」のガンホー<3765>は中国のテンセントとの事業提携を正式発表したものの49円安に甘んじた。大幅安の東証1部の主力銘柄を尻目に、新興市場は日経ジャスダック平均0.04%上昇、東証マザーズ指数0.64%上昇と好調だった。
26日までの11営業日で28銘柄という空前の新規IPOラッシュがスタート。初日の11日は東証マザーズばかり4銘柄が新規上場。不動産投資開発、不動産コンサルティング、不動産マネジメントを手がけるビーロット<3452>は公開価格2010円に対し初値がつかず2.3倍の4625円の買い気配で終了。法律相談のポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営する弁護士ドットコム<6027>は公開価格1230円に対し初値がつかず2.3倍の2829円の買い気配で終了。ネット広告事業を行うGMOインターネットグループのGMO TECH<6026>は公開価格5800円に対し1時6分、2.3倍の13640円の初値がついたが終値は10640円の安値引け。新潟県三条市が本社でキャンプ用品、アウトドアファッションなどの開発・製造・販売を行うスノーピーク<7816>は公開価格2300円に対し2時24分、2.34倍の5390円の初値がついた。終値は4640円だった。
この日の主役は原油安でデメリットが出る業種、メリットが出る業種。OPECが原油需要予測を下方修正し、サウジアラビアのヌアイミ石油相は「減産する理由はない」と発言。アメリカのエネルギー情報局(EIA)もガソリンなどの在庫が減少の予想に反して増加したと報告し、需給がゆるむニュースばかりでNYMEXのWTI原油先物価格は一時60.43ドルまで下落した。在庫評価減が減益に直結する石油元売り各社は言うまでもなく、国際石油開発帝石<1605>は14円安、海外の石油精製・石化プラントの受注に不安が出る千代田化工建設<6366>は13円安で年初来安値更新、日揮<1963>は55.5円安だった。
逆にメリットが出るのが業種別騰落率第2位、陸運セクターのトラック輸送。日本通運<9062>は3円高、ヤマトHD<9064>は28円高。空運セクターは業種別騰落率トップで、JAL<9201>は120円高、ANAHD<9202>は4.4円高、前途に明るい希望が出てきたスカイマーク<9204>は投資ファンドを引受先とする60億円の第三者割当増資を検討という話も出て売買高17位に入り34円高で値上がり率2位、スターフライヤー<9206>は77円高で年初来高値を更新した。アメリカと違って石油のほとんどを輸入に頼る日本では、経済全体にとって原油安はデメリットよりもメリットのほうが大きい。(編集担当:寺尾淳)