【今週の振り返り】欧米市場が下げてもたくましく162円上昇の週

2015年01月31日 20:38

画像・それでもソロスは正しいのか 相場下落に身構える老練投資家

年明けは外部要因に翻弄され、ブラックではなくてもグレーな冬空。そんな1月を忘れ物を取り戻すかのように上昇で締めくくる。虹も見えたか?

 日経平均終値は189.51円安の17606.22円、TOPIX終値は-16.34の1413.58。売買高は24億株、売買代金は2兆4827億円。値上がり銘柄数は420、値下がり銘柄数は1357。上昇セクターは空運、医薬品、小売の3業種のみ。下落セクターは海運、その他製品、機械、不動産、鉄鋼、電気機器、情報・通信など30業種を数えた。

 30日の日経平均は反発。月末の金曜日なので取引時間前に国内の経済指標がまとめて発表された。12月の消費者物価指数(CPI)は+2.5%、2014年通期では消費増税分込みで+2.6%。12月の有効求人倍率は前月比で0.03ポイント増加して1.15倍で、バブル末期の1992年以来22年9ヵ月ぶりの水準。完全失業率も3.4%で前月から改善。雇用には不安がない。12月の鉱工業生産指数速報値は前月比+1.0%。しかし12月の家計調査の2人以上世帯の実質消費支出は-3.4%で、家計は依然として防衛的だった。

 国内経済指標がおおむね好調で、前日の企業決算も通期見通しの上方修正、増配、自社株買いの発表が相次ぎ、日経平均は前日終値から182円上昇して17800円に接近して始まる。午前9時台に17800円台に2回乗せるもののタッチするだけ。10時台前半まで17700円台後半の水準を維持するが、後半は下落して11時台に一時17700円割れ。それでも前引けは17717円で後場に期待をつなぐ。その後場は午後1時台までおおむね17700円台前半で安定的に値動きし、2時を回ると17800円にもまた接近するが、2時30分すぎから前日同様に為替の円高を伴って急落し17000円を割り込んで17661円まで下げる。このあたり、月末のドレッシング買い、利益確定売りの金曜日、高値警戒感などが複雑に交錯。それを反映するかのように終盤いったん17700円台を回復するが、それを大引けまで維持できずTOPIXは安値引けになった。

 日経平均終値は68.17円高の17674.39円、TOPIX終値は+1.49の1415.07。売買高は26億株、売買代金は2兆7545億円。値上がり銘柄数は1177、値下がり銘柄数は561。33業種別騰落率は水産・農林、パルプ・紙、金属製品、電気・ガス、繊維、保険など22セクターが上昇し、その他金融、鉄鋼、空運、不動産、輸送用機器など11セクターが下落した。今週は3勝2敗で前週末23日終値から162.64円の上昇。1月の売買も全て終了し、月間騰落は昨年12月30日の大納会終値から223.62円の上昇。昨年のような暗黒ではないがどんよりとした停滞感が漂った「灰色の1月」を最終週、プラスにして締めくくった。(編集担当:寺尾淳)