大学3年生の7割「就活時期後ろ倒しに不安感じる」

2015年02月06日 12:04

 来春(16年春)に卒業する大学生から、就活の開始時期が一段と遅くなる。政府は「学業を優先させるため」「就活期間の長期化を抑制するため」などとしているが、就活期間が短くなることに、不安を募らせる学生も多い。

 内閣府が昨年10月、全国の大学2年生から大学院2年生までの学生5000人(各学年1000人ずつ)を対象に実施したウェブアンケートでは、就職・採用活動開始時期の変更にあたって、大学3年生の73%、大学院1年生の60%が、「就職先決定までの期間が短くなり、就職先が決まらないかもしれない」と不安を訴えた。大学3年生は、就活が終わりつつある4年生と比べ、「どのような準備や対策をすべきなのか」、「どのように就職活動を進めればよいのか」、「いつから準備や対策を進めるべきなのか」、「どのように情報を集めるのか」など、就職活動の準備や進め方に不安を感じている。

 就活時期は、現在の大学3年生から、会社説明会などの解禁が3年生の3月に、採用選考の開始が4年生の8月に、それぞれ後ろ倒しとなる。このことについて、大学3年生の80%、大学院1年生の78%は「知っている」と回答した。一方で、まだ就活ムードではない大学2年生では、「知っている」が56%にとどまった。

 就職・採用活動開始時期を変更する目的を知った情報源は、「テレビ・新聞・雑誌の報道」、「大学就職課(キャリアセンター)」、「先輩、友人、家族」などとなっている。中でも、大学3年生や大学院1年生は、半数以上が「大学就職課(キャリアセンター)」と回答した。

 内閣府では、「従来は卒業・修了予定年度の4月1日から、卒業・修了まで最大12ヶ月間、採用選考活動に臨むことができた。しかし、現在の大学3年生や大学院1年生からは、採用選考活動に臨むことができる期間を単純に比較すると、最大で8か月間、これまでの3分の2 に短縮される。学生が不安を抱くのは無理のないことだろう」とコメント。就活期間の短期化に対応し、学生の不安を取り除くためにも、企業と学生の「マッチングの強化、キャリア教育の充実がより一層重要となる」としている。(編集担当:北条かや)