6日、NTT<9432>は2014年4~12月期連結決算(米国基準)を発表。海外事業の売上が順調に推移したことにより収益を押し上げたものの、しかし携帯電話事業を手がける子会社であるNTTドコモ<9437>の新料金プランの苦戦が足を引っ張り、純利益は前年を下回ることとなった。
NTTが発表した2014年4~12月期連結決算によれば、売上高は前年同期比2.0%アップの8兆1825億円であり、12月期としては5期連続での増収となった。しかし本業のもうけにあたる営業利益は前年同期比7.5%ダウンの9109億円であり、こうして減益となるのは4期連続でのこと。また純利益についても前年同期比7.0%ダウンの4499億円であり、NTTドコモの新料金プランの苦戦が重荷となり増収減益という結果となった。
売上高が前年同期比2.0%アップとなった要因には、海外事業の成長がある。それによりNTTドコモなどの落ち込みをカバーし、結果5期連続での増収をはたすこととなった。また部門別に見てみると、不採算案件を抑制したことなどの影響により「データ通信事業」が増収増益を確保した。
そして15年3月期の連結業績見通しについては、据え置きとした。売上高は前年同期比1%アップの11兆100億円で、営業利益は前年同期比10%ダウンの1兆950億円で、純利益は前年同期比10%ダウンの5290億円としている。年間配当は前年同期比10円アップの180円の予定で、通期の純利益見通しに対する14年4~12月期の進捗率は85%であった。
今回の決算についてNTTは、部門別に見てみれば好転していることがうかがえるとしつつ、通期の業績見通しについてはやや背伸びした連結目標を設定していることから、連結ではさらなる伸びを期待したいとしている。
そしてNTTは、現在行われているNTT東西地域会社の光サービス卸の料金に関して、卸売り料金については今後見直していくとして、光回線1本あたり戸建てで月額3500円、集合住宅で月額2500円という今の価格を値下げするかもしれないという可能性を示した。(編集担当:滝川幸平)