ホンダ、12年ぶりに台湾二輪車市場に再参入

2015年02月15日 13:38

 現地企業との契約解消により、2003年より台湾での二輪事業を終了させていたホンダ<7267>が11日、12年ぶりに台湾での二輪車販売に再参入するとの発表を行った。4月以降

 台湾の全国4ヶ所に排気量250cc以上の中型・大型バイクの専門店を開設させ、年間販売台数1200台を目指す。台湾では今、所得向上にともない中型・大型バイクの需要が高まりつつある。そうした状況を受けて現地での二輪車販売の再参入を決定した模様だ。

 ホンダは1961年より台湾にて、KIMCO(キムコ、光陽機車)やSYM(三陽機車)などの現地企業への技術供与を行う形で、排気量125ccの小型車を中心に生産・販売を行っていたが、しかし03年より現地企業との契約解消にともない台湾での二輪事業を終了させ、事実上現地での二輪車市場からは撤退していた。しかし02年に台湾が世界貿易機関(WTO)に加入し大型二輪市場が開放されたこと、また所得の向上により需要が高まりつつあることなどから、14年の台湾の大型二輪車市場は前年比約24%アップの約1万7000台となり、こうした環境の変化を受けてホンダは再参入を決定した。

 12年ぶりとなる台湾の二輪車市場への再参入にともない、ホンダは排気量250cc以上の中型・大型バイクの専門店を台湾の北部に2店、中部と南部にそれぞれ1店ずつ順次開設させる。投入モデルについては新モデルを開発中であり、台湾仕様のモデルを国内工場とタイの工場で生産し、台湾へ輸入する予定。台湾では並行輸入業者が販売しているホンダ製バイクが約7000台流通しており、現地では直営店開設を求める声が挙がっていた。

 台湾では所得向上だけでなく、高速道路の走行規制の緩和などの影響もあって、排気量250cc以上の中型・大型バイク市場が急速に拡大しており、ホンダが二輪車市場撤退を決定した12年前とでは、中型・大型バイクを販売する環境は大きく変化している。こうした環境の変化をホンダは商機ととらえ、台湾の二輪車市場に再参入し、現地でのシェア獲得を目指す。(編集担当:滝川幸平)