NASAが火星への有人飛行を2020年代に行うことを発表。これに伴い、小惑星の岩石捕獲を行う。その方法が、まるでUFOキャッチャーのような構想だというのだ。太陽系や地球がどのように誕生したかを知る上でも大切な調査となることは間違いない。
NASA(米航空宇宙局)は、2015年3月25日に火星への有人飛行を20年代に行うことを発表。その前段階として、25年に小惑星から岩石を回収する計画があることを明かした。無人機が小惑星から岩石を採取し、月周回軌道に運んで、25年には有人宇宙船「オリオン」で回収する計画だ。このことで、人類未踏である火星にまた具体的に近づく案が発表されたことになる。
そのためNASAでは無人捕獲機を20年に打ち上げる計画を予定。2年後に小惑星からロボットアームで4メートルほどの岩石を捕獲する計画だ。当初は小惑星を投網のような装置で確保し、地球近くまで運んでくるという案も出されていたが、見送られたということだった。
この構想が、まるでUFOキャッチャーのようだとインターネット上では話題となっている。宇宙という特殊な環境と、調査のためにさまざまな要因があってこのような形となっているのだろうが、あまりにも大胆な発想だ。
小惑星は太陽系が誕生した後、天体などが衝突して分離したものだと考えられている。表面の状態は誕生の頃からあまり変わっていないと考えられており、その小惑星の岩石を調べることは地球や太陽系がどのように誕生したのかの解明につながる手がかりとなるのだ。
さらに、この小惑星探査は宇宙飛行士が将来、火星に行くための第一歩になるとNASAは位置づけている。宇宙船の長距離技術の他、火星の友人探査に必要な技術の開発を目指す。
岩石を確保する小惑星の候補は複数あり、その中のひとつに日本の探査機「はやぶさ」が着陸した「イトカワ」があがっている。NASAでは19年までにはどこの小惑星にするのかを決定するとのこと。もし、イトカワが調査対象となれば、はやぶさが持ち帰ったデータなども、再び注目される日が来るのではないだろうか。今回のNASAの発表を機に、jaxaでも新たな宇宙探査の発表があるかもしれない。それとも他国で別の角度から着手する予定が出てくるのか。今後の宇宙探査に注目していきたい。(編集担当:久保田雄城)