5千万人が30年以上避難まで「瀬戸際の事故」

2015年04月18日 23:48

東京電力福島第一原発事故に対し、当時の総理だった菅直人元総理は「東京を含む東日本から5000万人の避難が30年以上必要となる瀬戸際の事故だった」と振り返り、「70年前の敗戦にも匹敵する被害を受ける寸前だった」と原発事故の危険について警鐘を鳴らすとともに「自然災害と異なり政治で発生を止めることができるのが原子力災害だ」と強く呼びかけている。

 菅元総理は「福島原発事故は外国からの攻撃で発生してのではない。日本自体が国策として作った原発の事故だ」と原点を示し、関西電力高浜原発3号機、4号機に対する住民による再稼働差し止め仮処分申請を認める決定を福井地裁が下したことに、司法が「行政手続きが適正かどうかを超え、国民に被害を与える危険性は無いのか、原発の安全性を直接判断する姿勢を示し始めた」と評価。

 そのうえで「政府は原子力規制委員長の(福井地裁の決定には)事実誤認がある」という言葉をとらえ、新規制基準が甘いという判決の趣旨を無視しようとしている」と問題視。

 菅元総理は「日本列島が4つのプレートのせめぎ合う境目にあり、世界で最も地震の多い地域だということは誰も否定できない。そういう認識から見て、新規制基準が甘いという裁判所の指摘には真摯に聞く耳を持つべきだ」と政府にも、原子力規制員会にも、福井地裁の仮処分決定での指摘に真摯に向き合うよう提起した。(編集担当:森高龍二)