20日の日経平均は小幅続落。前週末17日のNYダウは279ドルの大幅安。企業決算が強弱入り交じり、消費者物価指数が+0.2%でも影響は限定的。東京の大幅安、ギリシャの債務不履行懸念、ブルームバーグの取引システムトラブル、中国政府のカラ売り規制緩和報道などネガティブ材料が重なり、一時は357ドル安まで下げ約2週間ぶりの安値で終えた。CME先物清算値は19570円。中国は2ヵ月ぶりに預金準備率を1%引き下げる追加金融緩和に踏み切ったが、20日朝方のドル円は119円付近で前週末とあまり変わらない水準。ギリシャ、ギリシャとデフォルトの恐怖をあおりながらユーロはなぜか堅調。株の売り口実なのか?
さすがの日銀もETFの買い入れをためらった17日の232円安から週末をはさんだ日経平均は、25日移動平均線を割り込む151円安の19501円で始まる。序盤は19500円をはさんだ攻防で午前9時4分に19474円まで下げるが、その後は下げ幅を圧縮して25日線を超え19600円台にタッチ。9時台後半は19600円台に定着。TOPIXの下げ幅圧縮のペースが鈍く、日経平均は17日に下げた値がさ株の買い戻しの気配が濃厚。10時台になっても下げ幅圧縮は続き10時16分にとうとうプラスに浮上。注目の10時30分開始の上海市場は、最近の過熱傾向がさめることなくカラ売り規制よりも追加金融緩和への好感が勝って上げ基調。日経平均もほぼプラス圏を保ったが、前場いっぱいまでは守りきれず前引けは5円安の19647円だった。
後場は5円高のプラスで再開。19700円を突破し午後0時51分に19725円の高値をつける。1時台は19700円前後でTOPIXともどもプラス圏を維持するが、2時台になると為替の円高と下落に転じた上海市場に連れ安してマイナスまで押し下げられ、プラスに浮上できないまま18円安の19634円で終了。TOPIXもマイナス。NY市場に比べれば終値は小幅安で健闘したが、16日のヨーロッパから始まった株安の地球周回を東京も上海も香港も止められなかった。
新規IPOが1件。モバイルアクセサリー販売とクラウドサービスのHamee<3134>が東証マザーズに新規上場。公開価格2530円に対して11時2分、67.2%高い4230円の初値がついた。前週から2連勝。
日経平均終値は18.39円安の19634.49円、TOPIX終値は-6.01の1582.68。売買高は20億株、売買代金は2兆3350億円。値上がり銘柄数は398、値下がり銘柄数は1374。上昇セクターは空運、医薬品、海運、食料品、電気機器の5業種。銀行はプラスマイナスゼロ。下落セクターは不動産、金属製品、証券、その他金融、ガラス・土石、卸売、水産・農林など27業種だった。
21日の日経平均は3日ぶりに大幅反発。NYダウは208ドル高の大幅反発で18000ドル台を回復。NASDAQも大幅上昇した。ECB副総裁の「ギリシャのユーロ離脱はない」発言、中国の追加緩和や企業決算を好感して終始プラスだった。ドル円は119円台前半でやや円安。CME先物清算値は19700円だった。TPP日米閣僚級協議は最終合意に至らなかったが、日経平均は97.08円高の19731.57円で反発して始まる。序盤、19700円を割り込む場面もあったがすぐ回復し、その後はプラス圏の19700円台前半から後半へ値を切り上げていく展開。10時台後半以降になると上海市場の反発を受けて19800円台に何度もタッチし、前引けは177円高の19811円だった。
後場はさらに高値を取って再開する。1時台までは19840円付近でほぼ横ばいだったが、2時を回るとドル円が119円台半ばまで円安が進行したのが追い風になり、メガバンクが3銘柄揃って年初来高値を更新するなど主力株を中心に上昇幅をどんどん拡大していく。騰勢はやまず、終盤にはとうとう19900円台にタッチして274円高の19909円で高値引け大陽線。同じく高値引けのTOPIXは終値で1600台に乗せたが、これは2007年11月以来7年5ヵ月ぶりの出来事だった。