【今週の振り返り】日経平均2万円を再突破して367円上昇した週

2015年04月25日 20:31

 新規IPOは1件。物流施設を中心に事業用不動産の総合サービスを行うシーアールイー<3458>が東証2部に新規上場。公開価格3620円に対して9時12分、7.32%低い3355円の初値がついて初値<公開価格の黒星。今年3回目の土。東証2部や1部への新規IPOは初値がふるわない傾向がある。

 日経平均終値は274.60円高の19909.09円、TOPIX終値は+26.20の1608.88。売買高は22億株、売買代金は2兆5776億円。値上がり銘柄数は1300、値下がり銘柄数は447。32業種が上昇する全面高で、その上位はその他金融、保険、ゴム製品、電気・ガス、陸運、銀行、化学、サービスなど。下落セクターは海運1業種だけだった。

 22日の日経平均は大幅続伸し終値でも2万円台回復。IBMの減収、デュポンの減益など企業決算がふるわず、ギリシャ不安も重しになりNYダウは85ドル安と反落して18000ドル台を守れなかったが、NASDAQは続伸した。CME先物清算値は20005円で大台乗せ。取引時間前発表の3月の貿易収支は2293億円の黒字で2年9ヵ月ぶりの黒字転換を果たした。来週公表の日銀展望レポートでの物価目標引き下げ観測報道が出て、ドル円は119円台後半まで円安が進行。

 あと91円で2万円再タッチだった日経平均は90円高の19999円で始まる。16銭足りない思わせぶりだったが2分後、8営業日ぶりに2万円を再突破。20008円の4月10日の「まぼろしのSQ」も上回り、午前9時7分に20038円まで上昇する。その後も2万円の大台を維持し続ける。心理的節目もまぼろしのSQも、突破してしまえばサポートラインに変わる。9時25分には20050円も突破。さらに9時台のうちに20100円にタッチして10時台にはそれも超えて10時44分に20144円まで上昇する。30日の日銀会合での追加緩和の思惑に加え、川内原発再稼働差し止め仮処分申請を鹿児島地裁が却下したニュースが流れ日経平均は高値圏安定。前引けは214円高の20123円だった。

 後場はほぼ前引け水準の20121円で再開。20100円を割り込んで午後0時51分に20064円まで下がるが、その後は上値を抑えられながら2万円は割らない。銀行、保険、ノンバンクに加え、2万円超えで証券セクターも買いを集める。上海市場の大幅続伸も受け、終値は20100円台に乗せて224円高の20133円で終えた。終値ベースの2万円台は2000年4月14日以来15年ぶり。日経平均、TOPIX、JPX日経400とも年初来高値を更新し、10日の「つくられた2万円」と違って「基礎体力がついた2万円」だった。

 新規IPOは1件。日本駐車場開発<2353>の子会社として設立され、白馬、栂池などでスキー場を運営する日本スキー場開発<6040>が東証マザーズに新規上場。公開価格3570円に対して9時19分、9.9%高い3925円の初値がついた。白星でも初値は控えめだったが、後で人気が出てK点超えのストップ高で高値引け。

 日経平均終値は224.81円高の20133.90円、TOPIX終値は+12.91の1621.79。売買高は27億株、売買代金は2兆8967億円と活気が戻ってきた。値上がり銘柄数は1126、値下がり銘柄数は606。28のセクターがプラスで、上位は証券、銀行、その他金融、保険、空運、ガラス・土石など金融系揃い踏み。マイナスのセクターは鉱業、鉄鋼、石油・石炭、陸運、ゴム製品の5業種だった。

 23日の日経平均は3日続伸。中国のクレジットカード市場開放のニュースや減収減益のマクドナルドの再生計画による業績回復期待などでNYダウは88ドル高で18000ドル台を回復。NASDAQは3日続伸して史上最高値に迫った。朝方のドル円は120円付近でドル高円安はさらに進行。CME先物清算値は20250円で20200円台に乗っていた。日経平均も93円高の20227円と20200円台で始まる。1分後に20252円の高値を取るが、さすがに利益確定売りが入って20200円を割り込み9時26分に20168円まで下げる。HSBCの中国製造業PMIが49.2で市場予測を下回ってもドル円は120円台堅持。日経平均は20200円をはさむ堅調な小動きがずっと続き、前引けは68円高の20202円だった。

 後場は20200円を割り込んで再開するが、前場と同様、20200円をはさんだ小動きが午後1時台まで続く。しかし2時台に入ると、黒田日銀総裁が参議院財務金融委員会で「サプライズで効果を出すと考えていない」と30日の追加緩和に否定的な発言。為替は119円台半ばまで円高進行。日経平均もTOPIXを道連れにマイナスまで下げるが、それでも2時28分の20116円で下げ止まってV字回復し終値は53円高の20187円だった。終盤の20200円台までの戻しは大型株主体で銀行セクターが軟調だったので、TOPIXの上昇は+3ポイントと大きくはなかった。