【今週の振返り】連騰が途切れそうで途切れず298円上昇した週

2015年05月31日 00:51

 日経平均終値は78.88円高の20551.46円、TOPIX終値は+11.43の1672.76。売買高は31億株、売買代金は3兆2639億円と活発。値上がり銘柄数は901、値下がり銘柄数は841。17業種がプラスで上位は銀行、保険、ゴム製品、輸送用機器、その他金融、電気・ガス、証券など。16業種がマイナスで下位は水産・農林、サービス、情報・通信、非鉄金属、海運、パルプ・紙などだった。

 29日の日経平均は11日続伸。NYダウは36ドル安。仮契約中古住宅販売指数は好調だったが、信用規制強化で6.5%の大幅安を喫した上海市場、新規失業保険申請件数の予想外の悪化など悪材料も多く午前中から大幅な下落。午後は徐々に戻してもプラスに浮上できなかった。ドル円は一時124円台半ばまで円安が進んだが、ドイツのドレスデンで開かれているG7財務相・中央銀行総裁会議に出席中の麻生財務大臣の「最近のドルの値動きは荒い」というドル高牽制発言で朝方には123円台後半に戻った。CME先物清算値は20585円だった。

 取引時間前に月末の金曜日恒例で国内の経済指標が集中的に発表された。前年同月に初めて消費増税分が加算された消費者物価指数(CPI)の4月全国は前年比+0.3%の10.3.3で23ヵ月連続上昇。5月東京都区部は+0.2%。4月の家計調査の2人以上世帯の実質消費支出は-1.3%で13ヵ月連続のマイナス。4月の労働力調査の有効求人倍率は3月比0.02ポイント改善の1.17倍、失業率は0.1ポイント下がり3.3%で3ヵ月連続の改善。4月の鉱工業生産指数速報値は+1.0%。市場予測に対しては、+3.0%のプラス予測に反してマイナスだった家計調査の実質消費支出以外は全て上回っていた。

 日経平均は41円安の20510円でスタート。TOPIXもマイナスで始まるがすぐにプラスに転換。日経平均も少し遅れていったんプラスにタッチし、前日終値をはさんでしばらくもみあった後で急伸。午前9時26分に20600円台にタッチし20609円まで上がる。経済統計も11連騰をサポート。その後は20500円台後半で推移し20600円台への再タッチもするが、10時30分を回ると上海市場の急落、円高進行、あるいは鹿児島県の口永良部島の突然の噴火に反応したのかTOPIXを道連れに急落してマイナスまで落ちる。「利益確定売りの金曜日」で、ましてや10連騰後の年初来高値圏。しかし11時台には前日終値の少し上でのもみあいから徐々に水準を切り上げ、TOPIXも再びプラスに。前引けは20600円台を確保し54円高の20605円だった。

 後場は前引けとほとんど同じ水準で再開するものの、ズルズルと下落してマイナスに落ちかける。それでもV字回復し20590円付近までリカバリー。前日後場からそんなパターンが3回繰り返された。午後2時に4月の住宅着工戸数が発表され、前年同月比+0.4%で2カ月連続で増加しプラスマイナスゼロの市場予測を上回った。日経平均は1時台は20600円手前で動いたが、2時台になると20600円台に乗せてさらに高値をうかがう勢い。2時39分に20636円まで上がるがザラ場ベースの年初来高値20655円は更新できない。ところが、終盤の約5分間は上海市場に同調して約70円の急落。「月末のドレッシング買い」も5月の月間騰落が1000円を超えては「お化粧の必要なし」で利益確定売りが優勢。このまま土壇場でマイナスに落ちて10連騰でストップかと思わせたが、時間切れでプラス11円の20563円で11連騰達成。連騰記録は歴代6位タイなお継続中。TOPIXは終盤マイナスまで落ちたが終値はプラスに踏みとどまった。JPX日経400もプラスで終了。15分間の〃アディショナル・タイム〃がある日経平均先物日中取引はマイナスだった。

 日経平均終値は11.69円高の20563.15円、TOPIX終値は+0.89の1673.65。売買高は32億株、売買代金は3兆6663億円と大きな商い。値上がり銘柄数は970、値下がり銘柄数は774。19のセクターが上昇し、上位は非鉄金属、鉄鋼、鉱業、空運、情報・通信、水産・農林、その他製品など。14のセクターが下落し、下位は保険、医薬品、証券、陸運、不動産、パルプ・紙、サービスなどだった。

 ベテランの証券マンや投資家に華やかだったバブルの時代を思い出させる連騰記録をつくり、今週の星取は前週と同じ5戦全勝。前週末22日終値の20264.41円から298.74円上昇して今週の取引を終えた。5月の取引も全て終了し、4月30日の終値19520.01円から1043.14円も上昇した。1000円を超える上昇をみせた月は2月の+1123.55円以来だった。(編集担当:寺尾淳)