5年後に開催される東京オリンピックに向けて、NTT<9432>とパナソニック<6752>の両社は17日、映像と通信を融合させた情報システムを共同開発するとの発表を行った。それにより都市の新たなIT(情報技術)インフラを創出することで、世界に普及させたい考えだ。
パナソニックが持つ高品質映像技術と、NTTが持つブロードバンド通信技術を組み合わせ、新しい映像コミュニケーションサービスの開発を目指す。例えば多言語対応の電子看板や、スポーツ観戦時に観客が好きな角度から映像を楽しむことができる多視点映像システムなど、外国人や身体障害者でも使いやすい利用技術を実用化するとしている。また映像によるモニタリングシステムとサイバーセキュリティ技術をベースに安心安全分野などにも取り組む考えだ。NTTとパナソニックの両社は共同開発したサービスについて、他の企業の参加も呼び掛けるとしている。
開発するのは「競技観戦などエンタテインメント」「リアルタイムの情報提供・案内」「セキュリティー対策」の3つの分野で、共同チームを立ち上げた後に実用システムの開発に取り組む。20年の東京オリンピックの開催までに実用化を目指したい考えだ。
またこうした共同開発による新製品やサービスは、国内での展開だけでなく世界での展開も視野に入れている。パナソニックはNTTと手を組んで日本らしいサービスを作り、それを世界に発信することにビジネスチャンスを感じているとしている。
パナソニックは1988年よりオリンピックの世界最上位の「TOP」スポンサーを務めており、NTTも1月に東京オリンピックの国内最上位スポンサー契約である「ゴールドパートナー」契約を結んでいる。
NTTとパナソニックの両社は、今回の共同開発を発表するにあたって、「今後、両社は本協業を映像分野のみならず、スマートシティなどのまちづくり分野においても連携を図り、地域の発展に貢献するとともに、さらに海外にも展開できるモデルづくりを検討していきます」とのコメントを発表している。(編集担当:滝川幸平)