人馬一体の楽器コラボバイクを日本初披露

2015年07月19日 14:49

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人馬一体を可視化させたコンセプトモデル“Root”は、楽器のヤマハがデザインしたバイク。

 六本木ヒルズ開催された「Two Yamahas, One Passion~デザイン展2015~」で、ヤマハ株式会社デザイン研究所が制作した、コンセプトモデル“Root”が日本初披露された。作ったのはバイクのヤマハではなく、楽器のヤマハだ。

 そもそもヤマハ<7951>とヤマハ発動機<7272>は別会社。ヤマハの創業は1887年と歴史は古く、楽器の製造や音楽教室の運営などを行っている。ヤマハ発動機は1955年にヤマハから分離するかたちで創業し、主に二輪車やボート、発電機の製造などの事業展開をしている。DNAを同じとする2社が、それぞれのデザイナーを交換して製作したものをイベントで展示した。

 “Root”をデザインしたのは、ヤマハ株式会社デザイン研究所所長の川田学氏。「Rootというのは、√記号のカタチのように上に乗っかっているという意味があり、根っこ、オリジンという意味もあります。乗り物と人との関係でオリジンは馬と人です。だから馬としてデザインしました。また、Rootには道という意味もあり、道につながっているバイクでもあります。そのために視線の先にはメーター類がなく、道や風景と一体になれるのです」

 まさに人馬一体を可視化したバイクなのだ。馬の背をイメージした長いシートは、フレームと1点だけで支えられているために、体重を乗せると動く。これはバイクの動きを身体で感じる仕掛けでもあり、シート全体が楽器のリードのように振動し、フィジカルで感じるようにしたという。馬なので当然メーター類はついていないため、腕時計型のタコメーターが用意されていた。

 ベースは同社のMT-07だと思われるが、普段は楽器をデザインしているデザイナーがバイクを手がけると、まったく違うものが誕生したという例でもある。ただ、同じヤマハのDNAを受けつぐだけに、理屈で考えるよりも、気持ちにうったえるモノ、官能的で風やトルクを感じ、気持ちを満足させるモノ作りは同じだったと言える。(編集担当:鈴木博之)