富士重工の4~6月期、最終益が過去最高を更新

2015年08月03日 07:01

 各国内自動車メーカーが軒並み国内販売において苦戦を強いられるなか、富士重工業<7270>だけはわずかであるにせよ、販売台数を伸ばした。そのほか、北アメリカでの販売が好調に推移したことなどが寄与して、同社の2015年4~6月期連結決算の売上高は前年同期比29.0%アップの7652億円、最終利益は前年同期比61.1%アップの841億円と増収増益をはたした。売上高は4~6月期ベースで、最終利益は全四半期ベースで過去最高を更新した。

 同日にはホンダ<7267>も15年4~6月期連結決算を発表しているが、同社も富士重工業と同様に北アメリカでの販売が好調に推移して増収増益をはたしている。ただし、国内販売については販売台数前年同期比27.2%ダウンの14万7000台と消費税増税の影響による低迷が続いている。これは他の国内自動車メーカーにも見られる傾向だが、富士重工業については登録車が前年を若干下回ったものの、軽自動車では前年を上回ったことにより国内の販売台数は前年同期比3.0%アップの2万8000台と微増した。

 営業利益は前年同期比70.5%アップの1342億円であり、4~6月期ベースで過去最高を更新。営業利益の増加の要因には、円安などの為替変動や販売拡大がそれぞれ寄与している。ただし、タカタ<7312>製エアバッグ問題によるリコール(回収・無償修理)費用が約50億円の減益要因となっている。

 世界販売台数は前年同期比16.2%アップの22万5000台で、4~6月期ベースで過去最高を更新。北アメリカを中心に「レガシィ」「アウトバッグ」が好調に推移し、海外販売の合計では前年同期比18.4%アップの19万7000台となった。

 国内全体の需要が落ち込みをみせるなか、国内販売台数は前年同期比3.0%アップの2万8000台と健闘。軽自動車の販売台数増が全体に寄与した。

 そして16年3月期通期の連結決算については、売上高で前年同期比5.3%アップの3兆300億円、営業利益で前年同期比18.9%アップの5030億円、最終利益で前年同期比28.7%アップの3370億円のまま据え置いている。(編集担当:滝川幸平)