【今週の振返り】472円高で5週間ぶりの週間騰落プラスの週

2015年09月12日 20:31

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8日の433円安で去年の大納会より安くなり、深刻な顔をした翌9日は、記録ずくめの1343円高。10日は470円安でも「きのうは上がりすぎたね」と、笑って話せる

 東証1部への市場変更を発表した「新興市場最後の大物」ガンホー<3765>は記念配も記念優待も記念増資も行わないのを好感され28円高。「記念日大好き女子」的銘柄をありがたがるのは株主優待マニアだけ。デザイン一新の4代目「プリウス」をラスベガスでお披露目したトヨタ<7203>は315円安。

 サンフランシスコではアップルの新製品発表会が行われた。今やアップルの売上の7割を占めるスマホ「iPhone6s/6s plus」は、タッチ操作に指の圧力の強弱が加わった「3Dタッチ」と4K対応の1200万画素が売り物で、199ドル(2年契約)で9月25日発売。2画面分割が可能な12.9インチの大型画面を搭載するタブレット端末「iPad Pro」、「Apple TV」の新型、エルメスとコラボした「Apple Watch」の追加製品ラインナップもお披露目された。しかし電子部品のアップル関連銘柄のこの日の株価は、フォスター電機<6794>は83円安、TDK<6762>は240円安、村田製作所<6981>は365円安、アルプス電気<6770>は130円安、太陽誘電<6976>は32円安、シャープ<6753>は1円安、イビデン<4062>は19円安でプラスの銘柄は皆無。前日あれだけ上げては、利益確定売りでアップル新製品発表効果は吹き飛んだ。

 日経平均終値は470.89円安の18299.62円、TOPIX終値は-27.85の1479.52。売買高は24億株、売買代金は2兆5992億円。値上がり銘柄数は497、値下がり銘柄数は1329。値上がりした業種は建設、海運、繊維の3業種。値下がりした業種は30業種で、その下位は鉱業、保険、石油・石炭、食料品、輸送用機器、医薬品などだった。

 11日の日経平均は小幅反落。NYダウは76ドル高と反発。イングランド銀行は金融政策現状維持。ヨーロッパ市場は利益確定売りで反落した。原油先物市場は4日ぶりの反発。輸入物価指数は7ヵ月ぶりの大幅減だったが、新規失業保険申請件数は市場予測と一致する6000人減と改善をみせ9月利上げ観測を後押し。しかしサマーズ元財務長官が9月利上げに反対するなど、材料が複雑に交錯した。ダウは朝方は安く、午後にプラスに転じても終盤売り込まれ再びマイナスになるが、最後にプラスに滑り込むという方向性の定まらない経緯をたどった。新製品を発表したアップルは2%を超える上昇ぶりで、その影響でNASDAQは終日堅調。リスクオンで低下が続いた金先物価格は6日ぶりに反発した。為替のドル円は120円台後半、ユーロ円は136円近辺でやや円安に振れたが、CME先物清算値は18215円だった。

 取引時間前に7~9月期の法人企業景気予測調査の結果が発表され、景況判断指数(BSI)は大企業製造業は+11.0で2期ぶりのプラス、大企業非製造業は+8.9で5四半期連続のプラスと、悪くない数字だった。見通しは大企業製造業の10~12月期は+10.5、1~3月期は+7.1、大企業非製造業の10~12月期は+6.2と、減速を予想している。

 降り続いた雨がやみ、久しぶりの秋晴れのもと東京市場は先物もオプションも当限月清算値を算出する「メジャーSQ」の日。日経平均は143円安の18155円で始まる。TOPIXは2ケタポイント安でスタート。午前9時4分にSQ値18119.49円が出た。8月SQ値より2421円も安いが、「18000円台のSQ値がほしい」という誰かさんの〃願い〃は、9日の超大幅上昇と11日朝の先物のオペレーションでかなえられた。同時刻の安値は18124円で、SQ日の値動きがSQ値を下回らないという上昇パターンの「まぼろしのSQ」にリーチがかかった。