9月30日の日経平均は3日ぶりの大幅反発。ヨーロッパ市場は全面安で、NYダウはプラスと16000ドル割れのマイナスを行ったり来たりしながらも、やや自律反発気味に終値は47ドルと反発。アップルは25日発売の「iPhone 6s/6s Plus」が3日間で1300万台以上売れたと発表したが下落してNASDAQは6日続落。S&P500はわずかなプラスだった。9月の消費者信頼感指数は8月から上昇し現状指数は+5.3%。S&Pケース・シラー住宅価格指数は-0.2%だったがこれは7月の遅行指数。原油先物はわずかなプラス、金先物は3日続落。為替のドル円は一時120円台までドルが買われたが朝方は119円台後半。ユーロ円は134円台後半で、CME先物清算値は17190円だった。
10月7日の内閣改造を明言した安倍首相はNYで「私にとって最大のチャレンジは、1にも2にも3にも経済だ」とスピーチ。しかしアベノミクスの重要なエンジン「インフラ輸出」はインドネシアの鉄道整備事業で、ルピア安という台所事情もありそうとはいえ、決まりかけていた日本による高速鉄道構想が中国の「中速鉄道」構想にひっくり返った。
取引時間前に8月の鉱工業生産指数速報値が発表され、市場予測の+1.0%を大きく下回る-0.5%で、2ヵ月連続のマイナスと不振。基調判断も下方修正された。8月の商業動態統計速報の小売業販売額は+0.8%増で、7月から1.0ポイント低下した。経済指標がやや弱くても、今年4番目の下げから一夜明けた日経平均は自律反発で263円高の17193円と大幅反発し、17000円の大台を1日で回復してスタート。TOPIXも大幅高だが1400台は回復できない。それでも3分後、日経平均が17243円まで上昇するとTOPIXも1400にタッチした。日経平均は午前9時27分に17300円を突破して17310円まで上昇するが、前場はそれが精いっぱいでおおむね17200円台後半で推移する。10時30分に国慶節の大型連休直前の上海市場が開いたが、小幅プラスなので東京市場に悪影響は及ぼさない。11時台に入ると120円にタッチしていたドル円が円高方向に振れ、徐々に17200円そこそこまで下落していくが、上海が少しだけ上昇したので前引けは312円高の17243円だった。前日の714円安の43%で半値戻しまでは達していない。TOPIXは1400台をキープ。
上海市場は上げ幅を拡大して午前の取引を終了。日経平均は後場、17300円台を突破して高値を取って再開。為替のドル円も反転して円安に向かったので高値更新が続き、午後0時55分に17387円まで上昇する。1時に日本自動車工業会が発表した8月の自動車生産台数は-4.7%で14ヵ月連続の減少。1時台前半の日経平均は17300円台で安定し、後半には17400円にタッチする。上海市場は2時にプラスで再開して安定する。2時に発表された8月の新設住宅着工戸数は+8.8%増で6カ月連続増。相続税対策で貸家が好調だが、供給がだぶつくと空き家が増えて家賃相場が下がる。2時8分、530円高の17460円まで上がり、2時台はおおむね17400円で推移する。かつて月末、半期末の東京市場では「ドレッシング買い」と呼ばれる値動きがあったが、最近はコンプライアンスの問題で月末・期末残高に〃違和感のないナチュラルさ〃が求められるのか、あからさまな〃お化粧〃はされなくなっている。終盤になると利益確定売りが入って17400円台を最後までキープできず、457円高の17388円で終えた。前日の714円安の64%で半値戻しは達成できたものの、やや物足りなさが残った。TOPIXは1400台で終了。上海総合指数は0.48%上昇し反発して連休に入り、8日に再開する。
日経平均終値は457.31円高の17388.15円、TOPIX終値は+35.64の1411.16。売買高は25億株、売買代金は2兆6008億円。値上がり銘柄数は1714、値下がり銘柄数は154。前日とは真逆で全業種が上昇し、上位はその他金融、保険、化学工業、輸送用機器、その他製品、鉱業など。下位は食料品、海運、空運、パルプ・紙、倉庫、陸運などだった。
8月31日の終値18890.48円から1502.33円下落して9月の取引が全て終了した。8月の1694.76円安と合わせるとしめて3197.09円安で、2カ月間に15.5%も下落している。
10月1日の日経平均は大幅続伸。9月のユーロ圏CPIが-0.1%と悪く、ヨーロッパ市場は追加緩和期待で軒並み3ケタの大幅高。中国の国慶節前夜の同時多発テロには反応薄。NYダウは正午頃に凹んでもプラス圏を維持して235ドル高。NASDAQも7日ぶりに大幅反発した。9月のADP雇用統計は民間雇用+20万人で市場予測を1万人上回ったが8月実績は下方修正された。原油先物は反落。リスクオンで長期金利は低下し、金先物は4日続落で2週間ぶりの安値になった。為替のドル円はロンドン時間に120円台半ばまで円安が進んだものの朝方は119円台後半。ユーロは弱くユーロ円は134円前後。CME先物清算値は17495円だった。
FRBのイエレン議長がセントルイスの州銀行監督者会議で挨拶したが利上げへの言及はなし。健康は問題なさそう。アトランタではTPP閣僚会合が始まった。取引時間前に9月調査の日銀短観が発表され、現状指数は大企業製造業が+12で市場予測の+13より悪く、6月の+15から低下して3四半期ぶりの悪化。一方、大企業非製造業は6月の+23からさらに伸び+25で、4期連続のプラスで1991年11月以来約24年ぶりの高水準。先行指数は大企業製造業が+10、大企業非製造業が+19だった。全産業の2015年度の設備投資計画が+10.9に上方修正されるなど、世界的なマーケット波乱を経ても企業の景況感はそれほど悪化していなかった。
月が変わって10月の日経平均は91円高の17479円で始まる。TOPIXも2ケタ上昇してスタート。日銀短観は悪くない結果で通過したが、序盤は荒れる。下落して17400円を割り込み前日終値に急接近して午前9時9分に17388円の安値をつけると、急反発して9時19分に17500円にタッチ。そこからまた17400円を割って前日終値に接近し、また戻して17470円を超えるなど上下動の激しい9時台だった。10時台はようやく落ち着き上げ幅100円未満の17430~17470円付近でしばらく推移する。
10月1日は中国の建国記念日「国慶節」で、上海など中国本土市場も7日まで連続休日。「中日連動」の「中」が外れ「鬼の居ぬ間に洗濯いたし申し候」。国慶節休暇でインバウンド消費関連は書き入れ時。祝日でも国家統計局の中国PMIは発表され、製造業は49.8で市場予測の49.7を0.1ポイント上回り、非製造業は53.4で横ばい。国家統計局だけでなく財新の9月製造業PMI改定値も47.2で速報値から0.2ポイント上振れして市場予測を上回った。なお、財新/マークイットは10月から速報値の発表を中止し月初の確報値に一本化することを発表した。
ドル円レートは120円を超えて円安が進行し、日経平均は10時45分すぎからにわかに急上昇。17500円、17600円、17700円を次々と突破して高値をどんどん更新。日銀の岩田一政元副総裁(岩田規久男現副総裁とは全くの別人だが、海外で取り違えられたという話も出ている)が「マイナス金利も導入すべきだ」と発言し追加緩和の必要性を強調したと伝わった。為替に敏感な電機、自動車の主力銘柄の他に不動産、ノンバンクなど金利敏感セクターも上昇し、今月2回ある日銀の金融政策決定会合での追加緩和期待ありあり。11時24分に17714円まで上昇し、前引けは302円高の17690円だった。
昼休みに円安はさらに進み、日経平均は高値を取って17830円で再開し午後0時31分に17831円まで上がる。しかし0時台は17800円を割り込んで徐々に水準を下げていく。1時台前半まで17700円台後半だったが、1時台後半は17800円に再びタッチするようになる。9月の新車登録台数は3.0%減で2カ月ぶりの減少。9月の軽自動車販売は14.7%減で9カ月連続の減少。2時台は17800円にタッチしながらその少し下で動きが乏しくなり、終盤はドル円が円高に折り返したこともあり大引けにかけて下落し、334円高の17722円で終えた。TOPIXも大幅高で、日経平均とともに28、29日の下落幅を埋めた。