16日の日経平均は大幅続伸。ドイツ政府運輸当局がVWにリコールの1月実施を命令しても、スペイン中央銀行のレストイ副総裁がECBの量的緩和延長の可能性を示唆してヨーロッパ市場は軒並み高。NYダウは217ドル高と大幅反発して17000ドル台を1日で回復。NASDAQもS&P500も大幅高でS&P500は2000台に戻った。新規失業保険申請件数は7000件減の25万5000件で第1次オイルショック直前の1973年11月以来42年ぶりの低水準。今はガソリン安で9月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%減となり2ヵ月連続低下。10月のNY連銀製造業景気指数は-11.36で3ヵ月連続のマイナス、フィラデルフィア連銀製造業景況感指数も-4.5。アメリカの経済指標は雇用は良くても消費、生産が悪かった。
7~9月期の金融セクターの決算は、ゴールドマンサックスはトレーディング収入が33%も減少し減収減益でEPSが市場予測を下回ったが、シティグループは前期の訴訟費用分のコストが減少し減収増益となり株価は上昇。NY連銀のダドリー総裁が景気減速を認めながら年内利上げをなお支持する発言をした。理屈だけで説明できないこともある。長期金利は上昇、原油先物は小幅に4日続落、金先物は5日続伸。為替はドル円が118円台後半、ユーロ円が135円台前半で円高に振れたが、CME先物清算値は18215円だった。
日経平均は203円高の18300円で始まる。TOPIXも上昇して1500台を回復してスタート。序盤は上げ幅を圧縮して午前9時10分に18240円まで下落するが、反転して9時15分には18315円まで上昇。それでも上下幅は75円で、今週200円を超える騰落が連日続いているのと比べれば小さい。9時台は18300円の少し下で動いていたが、10時台に入るとドル円が119円台に乗せ、18000円台で高値を取りながら上昇。10時30分に上海市場がプラスで始まるとさらに上昇し、10時44分に18397円と18400円に迫る。その後も18300円台の半ばから後半で安定的に推移し、前引けは246円高の18343円だった。
昼休みに上海が値崩れして一時マイナスになり、かろうじて小幅高で午前の取引終了。その影響で後場の日経平均は18300円を割り込んで再開する。それでもドル円が119円台なので3ケタのプラスを維持し、5分あまりで18300円台に復帰する。18438円まで上がらないと今週の騰落はプラスにならない。後場は18300円をはさんで上に行ったり下に行ったりで、値動きが乏しくなる。2時に上海市場は小幅プラスで再開し徐々に水準を上げる。皮肉にも最近は激しく揺れ動く東京市場よりも上海市場のほうが安定している。日経平均は18300円にタッチできなくなり、18200円台後半でただ時を刻む。終盤は「利益確定売りの金曜日」で下落して2時49分に18238円の安値を更新するが、それでも3ケタプラスは維持して大引けにかけてラストファイトして194円高の18291円で終えた。日中値幅は158円で、最近としては小さくすんでいる。TOPIXは終値も1500台に戻す。上海総合指数は1.59%のプラスだった。
日経平均終値は194.90円高の18291.80円、TOPIX終値は+15.12の1505.84。売買高は20億株、売買代金は2兆1937億円。値上がり銘柄数は949、値下がり銘柄数は826と接近していた。しかし業種別では31業種が上昇して下落は2業種だけ。プラス上位のセクターは保険、その他金融、不動産、その他製品、ガラス・土石、空運など。マイナスのセクターは小売と建設だった。
今週の星取は2勝2敗。前週末9日終値18438.67円から146.87円下落し、続落して18000円を割り、続伸しても完全に元には戻せなかった今週の取引を終えた。(編集担当:寺尾淳)