弾薬予算減少による防衛への影響危惧 佐藤氏

2015年11月30日 13:56

 元防衛大臣政務官の佐藤正久参院議員が政府の弾薬購入費の落ち込みが平成2年以降続いていて、弾薬業界に深刻な影響を与えていると、防衛に影響する可能性を危惧している。

 佐藤元防衛大臣政務官は「弾薬業界は防衛省向け事業以外にマーケットの広がりはない」ことをあげ「防衛予算の規模=市場規模で、このままでは自衛隊に弾薬を提供する国内の生産基盤がより一層弱ってしまい、防衛事業からの撤退を考えている企業もあると聞いている」とする。

 そのうえで「いざとなった時、肝心の『弾』がなければ、国も国民も守れません。日本を守るためにも、弾薬購入費の増額は絶対に必要」と強調している。

 佐藤元防衛大臣政務官によると「陸上自衛隊の主要装備品等の購入に充てる予算の内訳で、直接の戦闘力発揮を目的とする装備品(戦車、装甲車など)以外の装備品を購入する予算は平成27年度予算に比べ、28年度は72億円減少している。弾薬に至っては対前年度比、112億円も減らされている。米国からFMSで購入するオスプレイなどの『大物』に多くの予算を割かれたから」という。

 また、佐藤元防衛大臣政務官は「防衛関係費は平成24年度以降、増額傾向にあるが、弾薬購入費は平成2年度以降減少傾向が続いており、平成2年度に約890億円あった予算は平成27年度には約610億円になっている」とし、防衛予算イコール弾薬業界の市場という状況から、こうした傾向が弾薬業界の衰退につながり、防衛に影響すると警鐘を鳴らしている。(編集担当:森高龍二)