「鬼門」のSQ週の火曜日、水曜日が到来。同じメジャーSQの9月8、9日は433円安の翌日に1343円高というスーパー乱高下劇場だったが、3ヵ月前に比べると恐怖指数は3~4割減で、状況はまるで異なる。NYダウの大幅安を招いた原油安も、石油のほとんどを輸入に頼る日本には悪くない話。新幹線がインドに導入されるニュースもあった。GDP改定値も上方修正されたが織り込み済みなのか日経平均は8.28円安の19689円で始まる。すぐにプラスに転じ、9時9分に19764円まで上昇。9時40分頃までは小幅でも19700円台のプラス圏をおおむね保っていたが、為替が円高に振れていたためかあっけなくマイナスに転落。上海市場がマイナスで始まると下げ足を速め、25日移動平均の19609円も19600円も割り込んでしまい、なかなか下げ止まらない。やはり、SQ週の火曜日は「鬼門」で、メジャーSQでは荒れ方もメジャー級の打撃。上海も下げ幅が1%以上に拡大。10時台は10時55分の19502円止まりだったが、11時台に入ると19500円のラインも割ってしまう。それでも安値は11時9分の19481円で、19479円の200日移動平均が防衛線になった。その後は上海も下げ止まって日経平均も19500円付近に戻り、前引けは203円安の19494円だった。TOPIXの前引けも安値に近かった。
中国の11月の貿易収支が発表され、ドルベースで輸出は-6.8%で5ヵ月連続のマイナス。輸入は-8.7%。貿易収支は541億ドルの黒字だが、貿易額は9ヵ月連続のマイナス。日本向け輸出は-11.1%と2ケタ減だった。上海市場は1%を超えるマイナスのまま午前の取引を終了。後場の日経平均はほぼ前引け水準で再開し、先物主導の「鬼門」の下落も予定終了らしく19500円近辺の小動きが延々と続く。2時に再開した上海市場は午前中と同じくマイナス圏で小動き。こちらも波乱は起きない。2時30分に11月の景気ウォッチャー調査の結果発表。現状判断指数は2ヵ月ぶりに悪化し、-2.1ポイントの46.1。50を割り込むのは4ヵ月連続。内閣府は11月の気温が高く冬物の売れ行きの出足が鈍ったと天気のせいにし景気判断を据え置いた。先行判断指数は-0.9ポイントの48.2で3ヵ月ぶりの悪化。要因としてフランスのテロの心理的な影響が挙げられていた。遠い日本でもやはりアンニュイなニュアンスがあり。悪化した調査結果を受け日経平均は2時49分に19475円まで下げ安値を更新したが、200日線(19479円)割れは15秒間だけ。大引け前には19500円台まで戻り、終値は205円安の19492円でメジャーSQ週の「第1鬼門」を通過。TOPIXは後場1570付近で小動きした。上海総合指数は終盤下げ幅を拡大し1.89%安で終了した。
日経平均終値は205.55円安の19492.60円、TOPIX終値は-16.48の1568.73。売買高は19億株で連日の20億株割れの薄商い。売買代金は2兆1093億円だった。値上がり銘柄数は377、値下がり銘柄数は1430。プラスの業種は水産・農林、空運の2業種のみ。マイナスは31業種で、下位は鉱業、石油・石炭、鉄鋼、機械、非鉄金属、卸売などだった。
9日の日経平均は大幅続落。NYダウは終日マイナス圏で膠着し162ドル安で続落し、NASDAQ、S&P500も下落した。中国の貿易統計で輸出が5ヵ月連続のマイナスになったことが影響しヨーロッパ市場は軒並み安。雇用動向調査の10月の求人数は15万人減で中小企業楽観指数も下落。エルニーニョによる暖冬の予報が影響して原油先物価格は朝方に一時36ドル台半ばまで下げ、欧米市場全体がリスクオフムードにおおわれた。原油先物は乱高下した末に小幅3日続落で終了。リスクオフで金先物は反発。為替は円高ドル安が進行しドル円は123円近辺、ユーロ円は134円近辺、CME先物清算値は19390円だった。
取引開始前に10月の機械受注(船舶・電力を除く民需)が発表され、市場予測の-1.2%を大きく上回る+10.7%だった。9月分は+7.5%だがその前の3ヵ月はマイナスで、アップダウンが激しい。麻生財務大臣が家計調査の「二人以上世帯の実質消費支出」の振幅の大きさを指摘して注文をつけていたが、機械受注も負けていない。ポジティブサプライズと言うのもはばかられる。
それでも海外マーケットは悪く、メジャーSQ週の水曜日の「第2鬼門」。続落覚悟の日経平均は101円安の19391円で始まる。TOPIXもマイナス。午前9時2分に19369円まで下げた後、8分に19423円で高値更新、14分に19369円で安値更新、23分に19429円で高値更新という乱高下の序盤。メジャーSQ前のポジション解消売りプラス海外株安を受けた売り物と、機械受注を好感した買い物プラス押し目買いの綱引き。それでも9時30分頃から上放れしてTOPIXは一時プラスに浮上し、日経平均は9時35分に19475円まで上昇した。200日移動平均の19486円超えまであと11円。ところが、ここで「鬼門」の鬼がスイングした金棒がヒットし、一気に約50円下落する。その後は19400円台前半で落ち着いたに見えたが、10時を過ぎるとまた19400円を割り込む。
10時30分に発表された中国の11月の消費者物価指数(CPI)は+1.5%、生産者物価指数(工業出荷価格指数/PPI)は-5.9%で、ともに市場予測を0.1ポイント上回った。上海市場は序盤マイナスで始まりながらプラスに急伸し、その後もプラス圏を保つ。日経平均もいったん大きく下げた後で上昇した。ところがその直後、上海のマイナス圏までの反転急落にシンクロした鬼の第2打席がジャストミートし、一気に100円を超える熾烈な下落をみせ、19300円台も守りきれず11時ちょうどに19290円まで下げてしまう。2万円は700円以上も彼方にかすむ。TOPIXも1560を割る。為替レートに変動はなく、完全にSQ前の先物プレイ。鬼門の鬼はやる気満々で11時台も金棒をフルスイング。上海に歩調を合わせて下げ続け、11時14分に19261円まで下落。前引けは211円安の19281円で、乱高下のち大幅下落の苛酷な前場を終えた。