欧州で5Gの共同研究プロジェクトが始動 日本からはNECが参画

2016年01月19日 08:34

 NTTドコモによると第5世代移動通信方式(5G)とは、10Gbpsを超える通信速度、LTEの約1000倍にもおよぶ大容量化などが目指されているという。このため、これを活用した通信インフラにより、4K・8K動画のストリーミング配信、高いデータレートや大きなシステム容量が必要となる映像監視、超低遅延や高い信頼性が求められる自動車運転、膨大な数のIoTデバイスを利用するインフラ監視などの実現が見込まれている。

 今回、NEC<6701>は、欧州で5Gのコンセプトや技術を検討、研究開発を推進する団体5GPPP(Public-Private Partnership)の共同研究プロジェクトに参画した。

 5GPPPは、「Horizon2020」の通信インフラ分野における産学連携による研究プロジェクトの1つで、5Gの実用化に向けた研究開発・実証実験を推進している。2015年から本格的に活動を開始している5GPPPは、2020年以降に5Gを活用した通信インフラの実現を目指し、欧州委員会から約7億ユーロの資金提供を受けている。

 5GPPPの全19のプロジェクトの中で、NECは、①SONATA:ネットワークサービスのチェーニングやオーケストレーションなどを行う柔軟で拡張性の高い仮想化ネットワークの開発・検証、②XHaul:C-RAN(Centralized-RAN)における無線アクセスとコアネットワーク機能、モバイルバックホール・フロントホールのネットワークデザインの開発、③5G NORMA:基地局からコアネットワークまでに適用できる5Gを活用したネットワークの概念の開発・検証、④FLEX5G WARE:5Gネットワーク向けに拡張性と仮想化を実現するハードウェア、ソフトウェア、プラットフォームの開発、Superfluidity:通信遅延を短縮化し高速レスポンスを実現するモバイルエッジコンピューティング(MEC)技術の開発、の5つのプロジェクトに参画し、SONATA、XHaulではプロジェクトリーダーを務めている。

 また、NECは、この他にも5Gの実用化に向けた取り組みとして、5Gの標準化を策定する3GPP(3rd Generation partnership Project)やNGMN(Next Generation Mobile Network、) 、第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF、)などに参加している。産学連携としては、ドイツのドレスデン工科大学などと、5G基地局に関する共同研究を行っているという。(編集担当:慶尾六郎)