ワーキングママ、出産後に意欲下げないカギは

2016年01月31日 20:20

 女性が出産後も働き続けることを、政府が推奨する昨今。現実には、フルタイム勤務と家事育児の両立は難しい。それでも働くワーキングママたちにとって、モチベーションを上げる要因はなんだろうか。

 人材採用のエン・ジャパン(本社・東京都)が、自社で運営する女性向け転職支援サービスの利用者を対象に「ワーママ(ワーキングマザー)の就業意識」調査を行ったところ、出産後に仕事への意欲が下がったワーママは2割にとどまることが分かった(有効回答数は368人、16年1月22日公表)。

 「出産前と比較して、仕事への意欲がどう変化したか」聞いた結果では、「上がった(上がった、変わらず高い)」が46%、「変わらない(普通)」が36%で、合計8割を占めた。逆に出産後、働く意欲が「下がった(下がった、変わらず低い)」は18%と2割程度にとどまる。メディアや企業はよく、産休・育休から復帰した母親の「ぶら下がり」を危惧しているが、実際は意欲を下げずに働くワーキングマザーが多い。
 
 一方、産後に仕事復帰した女性の意欲を「下げる」要因は、周囲から評価・期待をされないことにあるようだ。「出産前と比較した仕事への意欲に、職場環境で影響をおよぼしているもの」を尋ね、意欲が上がった人と下がった人の結果を比較したところ、「意欲が下がった人」のポイントが特に高かったのは「周囲からの評価」(意欲が下がった:46%、上がった:35%)、「職場の人間関係」(同:42%、32%)、「会社からの期待」(同:35%、23%)だった。

 『責任のある仕事を任せてもらえない』『勤務時間が短いだけで評価が下がった』『時短勤務者は昇格できない』など、会社や周囲からの期待が低いことが意欲低下につながったというコメントが多い。

 一方、産後復帰してから「意欲が上がった」女性からは、『時間の配慮を頂きながら働けること自体がありがたい』『きちんと評価してもらえることで、産前と変わらず高いモチベーションを保てている』などのコメントが寄せられた。

 そもそも「家庭と仕事を両立するワーキングマザー」という表現に、女性が仕事も家事もこなす現状が見え隠れする。ただ、周囲が働く母親の状況を理解し、適切な評価と責任感を与えることが、短期的にも長期的にも重要なのは言うまでもない。(編集担当:北条かや)